あらよっと、ブログのお時間です。
『泣き虫カレンダー』
12月になり、今日もまたカレンダーが泣いています。
りく君が励ましながらカレンダーに声をかけます。
「そんなに泣かないで、カレンダーちゃん。いいよ、いいよ、僕、来年も2010年のままでイイからさ、泣かないでよ、ねっ」
りく君の言葉で、カレンダーは一旦は泣き止むのですが、やっぱりしくしく、しくしく。泣き虫カレンダー。
「ダメだよ、りくちゃん
、僕が来年もまたこの家にいたらりくちゃんは大きくなんないんだよ。そんなのダメだよ」
カレンダーは分かっているけど、泣いてしまうのです。だって、りく君の事が大好きだから。来年も再来年も大きくなってゆく、りく君をずっと見ていたいのです。
でも、カレンダーの役目は一年間だけだから。
今年のカレンダーがりく君と一緒にいれるのは今月で最後。来年は、2011年のカレンダーがやってきて、りく君をまた一年間見守るのです。
「だからやっぱり、僕は今月でりく君とお別れなんだ。ほら、僕にはもう1ページも残ってないでしょ、えんえん、えんえん」
また泣き出したカレンダーに、りく君がぴんと閃いて言いました。
「あっ、これで大丈夫だよ、待ってて、カレンダーちゃん」
りく君は、とことこ走って青いマジックを持って来ると、カレンダーに覚えたばかりの数字をいっぱい書きました。
『13 14 15 16 17 18 19ガツ』
「ほら、増えたでしょ!13月も14月もあるからまだまだ、一緒にいれるよ、カレンダーちゃん!」
増えた数字を見て、カレンダーは、また泣き出しました。りくちゃんの優しさに、えんえんえんえん泣き出しました。泣き虫カレンダーはえんえんえんえん泣きました。
(おしまい)