「ねえ、キン肉バスターってキン肉マンの方が下半身に重大なダメージ負いそうじゃない?」
「ねえ、キン肉ドライバーってバンザイしたら外せそうだと思わない?」
「ねえ、キン肉マンって・・・」
「だぁあああ、知らないよそんな事っ!」
昨日から美香ちゃんが激しくうざったい。新台で入ったキン肉マンを打ってみたらあれよあれよと20連荘もしたらしく、おかげで一気にキン肉マンが好きになったそうだがそれを延々と語られてもさぁ、一体僕にどうしろってんだ!?
僕は4万使って小当たり11回しか引けなかったんだぞ!
そもそもあの漫画にそんな理論的な話を持ち込む事自体がナンセンスだ!あれはお馬鹿理論を楽しみながら読む漫画、そういう事を気にしてたらキリがない。恐らく美香ちゃんは「地球を逆回転させると時間が元に戻る」と言っても、「両手に武器をはめ、通常の2倍の高さにジャンプし、さらに3倍の回転を与えると元の12倍のパワー」って言っても絶対納得してくれないだろう。女って変に現実的だからなぁ。あれはそういう漫画、それでいいじゃないか。
「ところでけいちゃん、あの人たちって色んな能力があるみたいなのになんでプロレスに落ち着いてるの?」
あ、それは僕も思ってた。
まあそれはさておき、ここの所のキン肉マン人気は凄まじいものがある。
僕はスロットを打たないからわからないけど、少し前にスロットでキン肉マンの台が出てそちらも大ヒットしてたようだし、パチンコの人気は言わずもがな。台の出来がいいのもあるのだろうけど、両方共にヒットしてるのを見るからにモチーフそのものが受けているんだろうなぁ。
「けいちゃん、漫画喫茶行こうよ。私キン肉マンの漫画読んでみたい」
そうして、パチンコで勝った人がこうやって原作に興味を持ってくれる。原作を知ってる人も懐かしがって関連商品を購入してくれる事だろう。タイアップって凄くうまい商売なんだと今更ながら僕は思う。
「正義超人どんだけ弱いねん!」
でも、よく考えると負けた人はきっとこう言って台を嫌う事もあるだろう。原作に思い入れが無い人なんかは原作そのものにまで嫌悪感を抱くようになるかもしれない。全部が全部そうじゃないかもしれないけれど、それを考えるとなかなか難しいものだ。現に僕はちょっとキン肉マンが嫌いになりかけてるし・・・。
パカッパカッ!
(キン肉マンステージ行け!キン肉マンステージ!!)
でも、気付けば打ちに行っている。なんだかんだでこの期待感を持続させる絶妙な小当たりは『進化系』の名に相応しい。今までの潜伏確変系の機種はアタッカーがパカパカしたときに2Rランプさえ見ておけば小当たりとの区別は付いたのだけれど、この「CRキン肉マン」はそれが全くわからなくなっている。それ故の「進化系」。おかげで今日もヤメ時が全くわからないままずるずるずると投資は3万円を突破した。進化、してるよね・・・搾取する方に。
キュインキュインキュイーン!
「うおっ!!」
っと思ったらこれである。何度聞いてもこのキュインはたまらない!テリーマンステージに移行したと思ったらすぐにウルフマンステージに落ちてしまったから種無しだと思っていたのに・・・さっきのパカパカで潜伏確変に当選していたのだろうか?まったく、こういう事もあるからヤメられない。進化系パチンコ最高だぜっ!!
「あ、けいちゃん。それ単発だよ」
しかしようやく辿り着いたHMC(ハイパーマッスルチャンス)で最初の当たりを引いた途端に隣で打ってる美香ちゃんから無常なる声が響く。彼女はセグ判別ツールとやらを使って僕の大当たりランプパターンをいち早く調べていたらしい。
(・・・な、なんてウザい女なんだ!)
声には出さなかったけど、負けが確定しているテリーマンを見ていると切なくなる。勝ってるならともかく、負けるのなら言わなくてもいいじゃない。自分が負けてるからって、ひどいひどいひどい!
「・・・って、あれ?勝ったぞ」
「うん、だって嘘だもん。負けると思ってたから喜び倍増でしょ!」
(なんていい女なんだ!)
それにしても判別ツール。確かに便利だとは思うけどさぁ・・・。見てると、彼女はステージ移行のたびに無表情でピッピッピと携帯にランプのパターンを打ち込んで、たまに表情がパアっと明るくなったらそれは潜伏確変を引けてたときなんだろう、けど大抵は無表情のまま。キン肉マンステージに移行してもピクリともしやしない。僕はそんな君を見ていると、果たしてその使い方はどうかなと思うんだ。
「どうしてよ?」
「せっかくの進化系パチンコなんだぜ?台の特性を最大限生かして楽しもうよ」
「いやよ、期待すると疲れるじゃない」
「そ、そう・・」
ほんと、女って変な所で現実的。パカパカチャンスに楽しめなくなるぐらいなら、僕はそんなツールはいらない。どうしても使うってんならヤメる間際だけでいいじゃないか。
・・・言いかけて、辞めといた。
そもそも千円で20回も回らない台を打ってる時点で、彼女が勝利にすら期待していないという事に気が付いてしまったのだ。
「ねえ、キン肉ドライバーってバンザイしたら外せそうだと思わない?」
「ねえ、キン肉マンって・・・」
「だぁあああ、知らないよそんな事っ!」
昨日から美香ちゃんが激しくうざったい。新台で入ったキン肉マンを打ってみたらあれよあれよと20連荘もしたらしく、おかげで一気にキン肉マンが好きになったそうだがそれを延々と語られてもさぁ、一体僕にどうしろってんだ!?
僕は4万使って小当たり11回しか引けなかったんだぞ!
そもそもあの漫画にそんな理論的な話を持ち込む事自体がナンセンスだ!あれはお馬鹿理論を楽しみながら読む漫画、そういう事を気にしてたらキリがない。恐らく美香ちゃんは「地球を逆回転させると時間が元に戻る」と言っても、「両手に武器をはめ、通常の2倍の高さにジャンプし、さらに3倍の回転を与えると元の12倍のパワー」って言っても絶対納得してくれないだろう。女って変に現実的だからなぁ。あれはそういう漫画、それでいいじゃないか。
「ところでけいちゃん、あの人たちって色んな能力があるみたいなのになんでプロレスに落ち着いてるの?」
あ、それは僕も思ってた。
まあそれはさておき、ここの所のキン肉マン人気は凄まじいものがある。
僕はスロットを打たないからわからないけど、少し前にスロットでキン肉マンの台が出てそちらも大ヒットしてたようだし、パチンコの人気は言わずもがな。台の出来がいいのもあるのだろうけど、両方共にヒットしてるのを見るからにモチーフそのものが受けているんだろうなぁ。
「けいちゃん、漫画喫茶行こうよ。私キン肉マンの漫画読んでみたい」
そうして、パチンコで勝った人がこうやって原作に興味を持ってくれる。原作を知ってる人も懐かしがって関連商品を購入してくれる事だろう。タイアップって凄くうまい商売なんだと今更ながら僕は思う。
「正義超人どんだけ弱いねん!」
でも、よく考えると負けた人はきっとこう言って台を嫌う事もあるだろう。原作に思い入れが無い人なんかは原作そのものにまで嫌悪感を抱くようになるかもしれない。全部が全部そうじゃないかもしれないけれど、それを考えるとなかなか難しいものだ。現に僕はちょっとキン肉マンが嫌いになりかけてるし・・・。
パカッパカッ!
(キン肉マンステージ行け!キン肉マンステージ!!)
でも、気付けば打ちに行っている。なんだかんだでこの期待感を持続させる絶妙な小当たりは『進化系』の名に相応しい。今までの潜伏確変系の機種はアタッカーがパカパカしたときに2Rランプさえ見ておけば小当たりとの区別は付いたのだけれど、この「CRキン肉マン」はそれが全くわからなくなっている。それ故の「進化系」。おかげで今日もヤメ時が全くわからないままずるずるずると投資は3万円を突破した。進化、してるよね・・・搾取する方に。
キュインキュインキュイーン!
「うおっ!!」
っと思ったらこれである。何度聞いてもこのキュインはたまらない!テリーマンステージに移行したと思ったらすぐにウルフマンステージに落ちてしまったから種無しだと思っていたのに・・・さっきのパカパカで潜伏確変に当選していたのだろうか?まったく、こういう事もあるからヤメられない。進化系パチンコ最高だぜっ!!
「あ、けいちゃん。それ単発だよ」
しかしようやく辿り着いたHMC(ハイパーマッスルチャンス)で最初の当たりを引いた途端に隣で打ってる美香ちゃんから無常なる声が響く。彼女はセグ判別ツールとやらを使って僕の大当たりランプパターンをいち早く調べていたらしい。
(・・・な、なんてウザい女なんだ!)
声には出さなかったけど、負けが確定しているテリーマンを見ていると切なくなる。勝ってるならともかく、負けるのなら言わなくてもいいじゃない。自分が負けてるからって、ひどいひどいひどい!
「・・・って、あれ?勝ったぞ」
「うん、だって嘘だもん。負けると思ってたから喜び倍増でしょ!」
(なんていい女なんだ!)
それにしても判別ツール。確かに便利だとは思うけどさぁ・・・。見てると、彼女はステージ移行のたびに無表情でピッピッピと携帯にランプのパターンを打ち込んで、たまに表情がパアっと明るくなったらそれは潜伏確変を引けてたときなんだろう、けど大抵は無表情のまま。キン肉マンステージに移行してもピクリともしやしない。僕はそんな君を見ていると、果たしてその使い方はどうかなと思うんだ。
「どうしてよ?」
「せっかくの進化系パチンコなんだぜ?台の特性を最大限生かして楽しもうよ」
「いやよ、期待すると疲れるじゃない」
「そ、そう・・」
ほんと、女って変な所で現実的。パカパカチャンスに楽しめなくなるぐらいなら、僕はそんなツールはいらない。どうしても使うってんならヤメる間際だけでいいじゃないか。
・・・言いかけて、辞めといた。
そもそも千円で20回も回らない台を打ってる時点で、彼女が勝利にすら期待していないという事に気が付いてしまったのだ。