17歳の駆け引き⑨ | 嫉妬に狂う女

17歳の駆け引き⑨

完全に勢いだった。


「お待たせ」と言って出て来た彼の顔を見ると、バイト先の男の子、ミツにベルをしたことを後悔した。チャリでニケツをして一緒に彼の部屋へ戻り、いつもと変わらない時間を過ごす。「いちゃついてたでしょ」「馬鹿言え」そんなやりとりも笑いのままで終わった。その女の子が例の手紙の子だったかどうか、そんなことはどうでも良かった。


私の頭は、ミツへのベルのことで頭がいっぱいだったのだ。


あくる日、私が自分のバイト先へ行くと、ミツはいつもと変わらぬ様子だった。ミツは当時で言えば今時の男の子で、髪は茶髪で長く、肌はキレイに焼けていた。制服のズボンは腰パンで、公立高校であるのに、私立特有の青いバッグを肩からだらしなくかけている(合コンで女の子にもらったらしい)、普段の私なら苦手とする感じの子。バイト先ではいつもしかめっ面でなんとなくとっつきにくい感じだったのだけれど、ある時から私に笑顔を見せるようになった。そのはにかんだ笑顔にちょっぴりドキドキしたこともあったっけ。


バイト中、ミツと私は普段通りのやりとりしかしなかった。もしかしたらベルのことはただの冗談だと思っていてくれているかもしれない。ほっと胸をなでおろし、バイトを終え帰ろうと歩き出した時、自転車置き場にミツはいた。


「一緒に帰ろうよ」