「プシュケーは人間の誰とも結婚できぬ」
プシュケーの姉たちは、
すでに結婚していました。が、
彼女だけは女神アフロディーテの不興をかって、
誰もが誉めたたえる美しさを持ちながらも、
誰もが彼女にプロポーズするのをさけていました。
プシュケーの両親は心配のあまり、
アポローンの神託をこいました。
「プシュケーは人間の誰とも結婚できぬ。
山の頂きに連れて行き、そこにおいてきなさい。
山の怪物が彼女と結婚するであろう」
神託は絶対です。
悲しみながらも両親はプシュケーに
婚礼衣装を着させ、
山に連れていくと一人残して帰りました。
この中には、
人間と神の間に、結婚が成立できないらしく、
プシュケーを愛してしまったエロースが
何とか一緒になりたい一心で
裏から手を回して、指示したとの説。
「私がお前の夫です。しかし、絶対に私を見てはいけません」
一人になると、
プシュケーは悲嘆にくれましたが、
山の美しさに癒やされ、落ちついてきました。
しばらく崖の上から回りを眺めていると、
ゼフィロス(西風の神)が、
プシュケーを持ち上げ、
美しい森に連れて行きました。
これもエロースの指示。
ゼフィロスはアフロディーテやエロースと
縁が深いみたいです。
その森には立派な宮殿とすんだ泉がありました。
プシュケーがその家に入っていくと、
声だけの召使いが給仕をはじめました。
「女王さま、
ここにあるものはすべてあなたのものです。
私たちはあなたの召使いです。
何なりとお申し付けください。
お好きな時に、
お食事と湯浴みをなさってください」
プシュケーは湯浴みのあと、
おいしい夕食を食べ、
その日は床につきました。
すると、誰かが寝室に入ってきた気配がし、
優しい声をプシュケーにかけました。
「私がお前の夫です。
しかし、絶対に私を見てはいけません」
神と人間は、闇の中でしか結ばれる事ができないそうです。
その声に安心したプシュケーは、
その声の主とともに幸せに暮らしはじめました。
ギリシャ神話より参照
つづく。
