先日、フードコートでごはんを食べ終え、隙間時間に読書をしている時。掃除のアンティーが休憩の為か、大きなため息と共に大股開けて、私の前の席に座った。そして、いきなりコテコテのシングリッシュで" How much, your bag? You buy where?"「その鞄いくら?どこで買った?」と。


いままでもタクシーの運ちゃんには家の家賃を聞かれるし、スーパーのUncleには主人の年収を聞かれる、顔なじみだけれども名前も知らないご近所ママにはベビーカーを新調すると開口一番値段を聞かれ、お伝えするとオッケーと言われ去られた事もありました。

 

またよく自慢もされます。

数ヶ月前の話。

"I bought nice nice one! So cheap, buy for your girl's school bag leh."「こんなに良い物を買ったんだ!安かったからあなたの娘のスクールバック用に買っておいたわよ。」と同じコンドのシンガポーリアンママ。それはそれは水筒と服一着が入るかどうかの小さなエングリーバードのリュックサックをいただいたことがありました。申し訳ないが、趣味は合わないし、小さすぎて使えるわけがありません。


" Who never buy such good one for Buy 2 get 1 free promotion?! Buy for your girl's  Birthday."「こんな良いもの Buy 2 get 1freeセールしてたから買うの当たり前でしょ。これあなたの娘の誕生日プレゼントに。」と誕生日2ヶ月後(ここもツッコミポイント!)にワンピースをいただいたのですが、セールしてたからの言葉は余計だなと思ったりして苦笑したこともありました。どちらにせよ、そんなセール品でも私達の事を念頭に入れてくださったのが嬉しくて、喜んでちょうだいしました。


ただ、日本人の感覚からしたら距離を置き、後ずさりしてしまいそうですよね。


彼らの多くにとって値段を聞くことは社交辞令のようなものです。そして、毎回これらの価格トークからシンガポール人特有のKiasuキアス精神を私は感じてます。


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シンガポールに居たら必ず聞く聞く単語Kiasuキアス。これはシンガポーリアンの性格そのものを良い意味でも悪い意味でも表してます。


Kiasu キアス(福建語で怕输)= 負けるのが怖い →負けたくない → 人より得したい→勝ちたい→得したい→得した良い買い物をしたい

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つまり値段を聞いて、その相手が良い買い物をしたかどうか判断したいのです。もし良い買い物をしていたなら(値段を払う価値があるなら)、自身もあわよくば手に入れたいということなのです。


幼い頃から学歴競争社会に揉まれてる彼らは、常に何でも得して、勝っていたいのです。


お節介と感じることはたくさんありますが、私は彼らのKiasuキアス精神、結構好きです。

競争社会に弱い日本人は彼らのキアスから学べる事はたくさんあると感じます。