今回解説するスラングは cheeky Nando’s です。イギリス英語のスラングらしいです。
Nando’s Chicken
Nando’s(ナンドーズ)は、イギリスで大人気(らしい)ポルトガル風グリルチキンのチェーン店です。本店は南アフリカにあるらしいですが、留学中にオーストラリアで行ったことがあります。チキンバーガーは辛くて美味しかったです。
Cheeky Nando’s copypasta
今日解説するTumblrの投稿です。この前から cheeky Nando’s というフレーズは広まっていましたが、解説がイギリススラングにまみれすぎてアメリカ人にはわからないことが話題になりました。
説明ムズいんだよなー
なんか、例えばある日ダチとJDスポーツの中見て回ってる時
パブでカレー食べてみたいかもとも思ったけど
カルムのやつ、神ってるあいつ
こいつがいたら話が弾みまくるやつが言うのさ
「みんなでちゃっかりナンドーズしばくか」
というわけで今回も長くなりそうです。実は私はイギリスのスラングにあまり詳しくないので、この解説動画を主な情報源にしてます。
chav
本文に出ていませんが、回答者のユーザーネームに出ていて、この文章に関連深いので解説します。
chav(チャヴ)とは、「イギリスの下層階級の若者のうち、主にスポーツウェアを着て(純正・バチモノにかかわらず)礼儀悪い者」を指す用語です。旧ソビエト地域での「ゴプニク」と似通ったところがあります。話す方言はコックニー、もしくはその進化系の「多文化ロンドン英語」です。この投稿は、チャヴみが溢れています。
wif ma bruvs
wif は with の方言的スペリングです。コックニーや多文化ロンドン英語では、th の音が、f や v と発音されるのが特徴的です。brother が bruvva になったり、それが縮まって bruv になったり。
mate
mate は、チャヴやオージーの間で友達や仲間を指す・呼ぶ単語です。
JD Sports
JD Sports は、イギリスのスポーツ用品店です。新しいジャージを買い替えるのでしょうか。
J D Wetherspoon
J D Wetherspoon はイギリスのパブのチェーンです。スポーツ用品店とは何も関係なく、偶然両方JDがつきます。
このWetherspoonパブ(略して ’Spoons)では、「カレークラブ」なるものがあるようです。これが会員制の何かなのか、単なるメニューの一節を「クラブ」と呼んでいるだけなのかはわかりませんが、飲み屋でカレーを食うのがチャヴの定番の一つのようです。
アイ・アム・Ledge
ここでの ledge は、岩棚という意味ではなく、legend の短縮形です。legend は文字通りでは「伝説」という意味がありますが、ここでは単なる褒め言葉です。カルムくんの話が面白かったり、やる事が大胆で面白かったり、そんな感じにチャヴってるんでしょうね。
Banterbury Tales
Archbishop of Banterbury は、Archbishop of Canterbury(カンタベリー大主教、カンタベリー大聖堂を率いる主教)をもじったものです。banter はこちらで解説されていますが、mates 同士のからかい合いといった感じです。
wif me brevs
brevs は他のところで聞いたことがありませんが、おそらく bruvs の変形でしょう。th → v の変化については上の wif の解説で触れました。
cheeky
cheeky は「生意気な」という意味ですが、チャヴたちは肯定的な意味で使っているようです。「ちゃっかり」がしっくり来ると思います。
Let’s have a cheeky Nando’s は「ちゃっかりナンドーズしばくか」な感じです。
Top. Let’s smash it.
文字通りでも意味が通る感じがしませんか? top は「一番上の」、転じて「最高」。smash は「強打する、粉砕する」といった感じです。『大乱闘スマッシュブラザーズ』の「スマッシュ」です。smash or pass という「遊び」もありますが、Tinderを使っていたらみんな知っていると思うので。