GWですね〜スター

 今日は長男は友達と『名探偵コナン 黒鉄の魚影』を観に行ったので、次男と私も負けじとコナンの映画を観に行きました。(夫は仕事でした、お疲れ様!)

 私は3回ほど涙ぐんでしまいましたが、帰ってから長男に話すと

「は?どこで泣けるところがあった?」

と言われました。年を取ると涙もろくなっちゃうのよ…アセアセ

 しかもエンディングが、私の青春時代を彩ってくれたスピッツじゃないですかキラキラドラマ『silent』でも主人公2人が聴いてたのはスピッツの曲だったし、長い活躍すごいですね!

 

 さて、しばらく病気や制度の説明の記事が続きましたが、また私の話に戻ります。

 長いし、全然楽しい要素がないので(いつも??)、GW気分を盛り下げたくない方は、GW明けに読んだ方がいいかも!?

 じゃあ投稿しなければって話ですが、私の中ではこの話を書かないと次に進めなくてアセアセ

 

 2022年3月に腎生検を受け、その結果、IgA腎症と確定しました。

 でも腎生検で動脈硬化もあったため、ステロイドを使うと動脈硬化が進行する可能性があるとのことで、治療をどこまで行うか、という問題に直面してしまいました。

 

 私は熱までは出ないけど、いつも喉が痛くて、慢性的に扁桃の炎症がありそうだったので、とりあえず変なIgA(糖鎖異常IgA)を作っているであろう扁桃腺は取ってもらおうと、扁桃摘出術は受けようと決めました。

 でも、その後にステロイドパルスを受けた方がいいのか、受けない方がいいのか、という問題が残っていました。

 

 改めて、自分の腎生検の結果を振り返ってみました。(腎生検の組織学的分類についてはこちら

 Oxford分類で予後に影響するとされているメサンギウム細胞増多はあるものの、数は多くない。

 組織学的重症度分類(H-Grade)で透析導入と関連することが分かった全節性硬化はあるけど、そんなに数は多くない(約19%)。また急性病変(A)はなく、慢性病変(C)のみ。だから私の結果はH-Grade I (C)。ただし、主治医から採れていない糸球体に急性病変がある可能性はあると言われている。

 臨床的重症度分類(C-Grade)はIなので、H-Grade IとC-Grade Iを組み合わせると、透析導入リスクは低リスク。

 

 IgA腎症診療指針第3版には、低リスク群の場合は、「副腎皮質ステロイド療法(ステロイドパルス療法を含む)は糸球体に急性活動性病変を有する場合に考慮する。」と書いてある。腎生検では急性病変はなかったので、ステロイドパルスはしないで経過をみるというのも妥当なのかも。

 でも尿潜血は(2+)〜(3+)がずっと続いているので、腎生検では急性病変は採れなかったけど、実際には糸球体に急性病変もあるのではないか?

 それと私のクレアチニン上昇はIgA腎症と動脈硬化、両方が原因ではないかと主治医からは言われていて、なってしまった動脈硬化を改善することは難しいので、治療ができるIgA腎症の方を少しでも改善した方がいいのではないか?

 

 なんとか答えを探そうとIgA腎症の専門書を読みましたが、IgA腎症に動脈硬化を合併している場合どうするかなど、ケースバイケースの対応は書いてある訳もなく…

 

 

 またIgA腎症の先輩方のブログも読ませていただきましたが、同年代と思われる方でも私と同じような方はいなくて、みんなIgA腎症の診断がついたら扁摘パルスを受けていらっしゃいました。

 

 そんな中、ステロイドと動脈硬化に関する論文を見つけました。

 一般にステロイドは、動脈硬化の危険因子である高血圧、糖代謝異常、高脂血症を誘導するため、動脈硬化には促進的に働くものと理解されている。しかし、一部の動脈硬化の動物モデルでは、ステロイド投与は動脈硬化の進展を阻害する。これには、ステロイドが持つ強力な抗炎症効果が関与している可能性がある。また、脂質代謝をみると、ステロイド治療により独立した動脈硬化の危険因子であるLp(a)濃度は低下する。血清総コレステロール濃度は確かに増加するが、LDLもHDLも増加し、必ずしも動脈硬化を促進させる方向にならない。加えて、関節リウマチや全身性エリテマトーデス患者における動脈硬化病変には、ステロイド療法よりは疾患自体の影響が大きいと報告されている。これらを総合すると、ステロイド療法は脂質代謝異常に限って言えば、必ずしも動脈硬化病変を増悪させるものではないという結論になるが、今後も慎重に検討すべきであろう。

 

引用:ステロイド内服薬の選び方・使い方(東邦大学医療センター大森病院膠原病科 川合 眞一 2009年)

 

 もう一つ、同じ病院の違う医師が2019年に書いた記事も見つけました。

 

 ステロイドは、強力な抗炎症作用および免疫抑制作用により、動脈硬化進展を抑制し、心血管疾患リスクに対し予防的な役割を果たすことが期待される。ただし、ステロイドの生理的作用が過剰になると、古典的心血管疾患リスク因子をもたらし、動脈硬化を促進するリスクを持ち合わせる。このように心血管疾患リスクを相反する方向へ競合的に修飾し、加えてステロイド投与の適応となる疾患は一様でなく原疾患自体が心血管疾患リスクとなるため、ステロイドによる心血管疾患リスクを厳密に検証することは容易ではない。

 日常診療では、急性期には疾患コントロールに十分なステロイド治療を積極的に行い、病勢が落ち着いた際には可能な限り減量することが動脈硬化・心血管疾患リスク抑制の観点からも肝要である。

 

引用:ステロイドは動脈効果に悪いのか? (田中菜穂子 東邦大学医療センター大森病院リウマチ膠原病センター膠原病科客員講師 日本医事新報 2019/3/2)

 

 結局、ステロイドは動脈硬化の進行を抑制する可能性も、促進させる可能性も両方あるということですね。これらは膠原病科の医師が書いたもので、膠原病とIgA腎症ではステロイドの投与方法や投与量や投与期間が違うので、そのままIgA腎症患者に当てはめられないかもしれないけど、参考にはなると思いました。

 

 ステロイドを使っても動脈硬化が悪くならない方にかけるか?

 う〜ん、どうしよう…