春疾風[HARU-HAYATE]

春疾風[HARU-HAYATE]

当BLOGはオリジナル学園BL短編小説・イラストが掲載されております
BLに嫌悪感のある方、オリジナルが苦手な方は御引き取りください

春疾風


[ 春に激しく吹き起こる風 ]



#CP

大城 春那(おおしろ はるな)×橘 怜(たちばな れい)




大城 春那------------

学年:17歳、高校3年生

容姿:176cm/ベージュ、猫っ毛の前髪長め/勉強時のみ黒縁眼鏡使用/茶目

誕生日:10月31日

一人称:僕

血液型:O型


部活:美術部、3年になりすぐ引退、現在はスケッチ程度

性格:のんびりのほほん屋さん、奥手のヘタレで天然。

    空が晴れてるだけで幸せを感じられるおばかさん


補足:寝る事が大好きで春、秋は屋上、夏は裏庭、冬は美術準備室で授業をさぼっては昼寝している

    勉強は嫌いではないので成績は常に真ん中らへん


橘 怜---------------

学年:15歳、高校1年生

容姿:160cm/黒髪、襟足が肩に触れる程度のウェーブ/黒目

誕生日:3月3日

一人称:僕

血液型:A型


部活:帰宅部(趣味読書)

性格:基本的に無口、口を開けば意地悪・天邪鬼な発言が先に出る

    他人=ツン9:デレ1/恋人=ツン4:デレ6


補足:成績優秀、教師から色んな意味で一目置かれる存在

    無口な為友人はいないが良い意味でも悪い意味でも周りに人が寄ってくる、過去に経験有り



クロネコさん----------

学校裏庭に住み着いている黒猫

名付け親は春那




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当サイトは二人のオタクの思いつきと妄想で成り立っております。

所詮、オリジナルなりきりメールからの派生ですがされど作品として形を成した以上、小説・イラストの著作権は管理人にあります、無断転載などは禁止しています。

一部残酷描写・性的描写(R18)が含まれることがありますので、そういった描写が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。また小説以外にも日記と称したキャラクターの日常徒然も御座います。

いずれも閲覧に関しては自己責任にて御願い致します。



イラスト+春那side小説=[ T ]  短編小説+怜side小説=[ M ]

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最近僕はちょっと…いや、かなりむくれていると思う

自分で言うのも何だけど…めずらしく、ご機嫌ナナメなんです


なぜなら…


最近、怜君がクロネコさんに夢中だからです

いや…もともと仲良しさんなんだけどね

仲がいいのは良い事なんだけどね?

最近拍車がかかっていると言うか…

僕もその場に居るのにね、ずっとクロネコさんと遊んでたりとか…


なんかどんどんもやもやした気持ちが出てきて

なんでだろう?って思ったから、家に帰って一生懸命考えてみたんだ


それで、思った

僕はきっと、クロネコさんに嫉妬してるんだって

僕はクロネコさんの事も大好きなのに…

だからちょっとだけ悲しくなったけど…


でもきっと仕方がない


だって


僕が1番好きなのは怜君だから

彼と出会って色んな事が変わっていく

今までこんな感情に苛まれる事なんてなかった


1番とか2番とか

そんな自分勝手に誰かの事を順位付けるような事なんてしなかった


だんだん自分が欲張りになっていくのがわかる

少しだけ、自分が自分で無くなるような気がして怖いけど…


でもこれもきっと仕方がない


これが、惚れた弱みってやつなのかな?







屋上に行ったらめずらしく先に怜君がいた

寝転がってる隣にそっと腰をおろしてみる


気付かない…

熟睡しちゃってるのかな?


起こすのは悪いし

でもこのまま一緒に寝る気にもなれなくて

ぼんやりと空を眺めてみた

それでも暇を持て余すから

今度は視線を戻して怜君の寝顔を見てみた


綺麗な顔…




「…怜君のバカ」



起こさない様にそっと呟いてみた



「ごめん、嘘…好き」



寝てる間に、少しだけ…



「大好きなんです」



君の瞳が開かない内に



「だから…」



軽く口付けた



「…もっと僕の事かまって」



そっと顔を上げると、一気に鼓動が速くなる

寝てる隙とはいえ、こんな大胆な事をするなんて



こんな僕を



僕は知らない



また怜君に、変えられてしまった

またひとつ、鼓動が高鳴った



起きた時にどんな顔をすればいいかわからなくなって

あわててその場を去った





向かった先は裏庭

木陰に座り込み息をきらしていると、クロネコさんが草むらから出てきた

僕の足元に近づいてきた体を抱き上げる



「うぅ…クロネコさんが怜君と仲が良いからだぁ…」



自分でおこした行動をクロネコさんに擦りつける

それでも…

どうしたって…



「怜君は…渡さないよ?」




終わり







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もう眠いから無理矢理終わりますww

おやす

T



蕾  春那side





放課後、普段通り裏庭へ向かう

先日猫じゃらしを拾ったのをきっかけに、ペットショップで人工的に作られた猫じゃらしを買ってみた

以来食後に黒猫さんと遊ぶのが日課になった

片手で揺らしながら昨日の出来事が脳裏に浮かぶ

初めて廊下ですれ違った以来、ずっと一方通行だった挨拶が昨日、やっと届いた
すれ違い様に聞こえた声、確かに聞いた彼の声、いつもの廊下がぱっと明るく感じた、ただ挨拶を交わしただけなのに

「名前…何ていうんだろ?」

「橘」

「へ?」

ふいに聞こえた声に驚きながらも振り返ると、彼がいた

「あ…」

固まったままの僕をおかまいなしに、橘と名乗った彼はゆっくりとこちらに近づくと黒猫さんの頭を撫で

「橘 怜…です」

「あ…えっと、あ!大城 春那、です」

急な出来事に戸惑いつつも、何とか自分の名前を告げる、緊張のせいか正座になってしまった、少し恥ずかしい…

「ぁ…えっと、橘君も黒猫さんに会いに来たの?」

「…この子の家族を見てみたくて」

視線は黒猫さんに向けたままだが、ちゃんと答えてくれた相手の姿に少し緊張がほどける

「そうなんだ、1年の時から黒猫さんを見てるけど…他の猫と一緒にいる所は一回も見たことがないんだ、ちょっと気が強い子だから、僕も慣れてもらうまで結構時間がかかったくらいで…」

苦笑いを浮かべ相手の反応を待つ

「…」

「…」

「あの…橘、君?」

「いいですね」

「え?」

「今はあなたがいるから、 この子は寂しくないんじゃないですかね…少し、羨ましいです」

淡々と放つ言葉に表情が悲しげに映って見えた

「失礼します」

すっと立ち去ろうとする背中に声をかける

「あの、橘君っ」

「…なんですか?」

「また、遊びに来て、そうすればきっと橘君も黒猫さんと友達になれるから 」

「…ありがとうございます」

そう言って去っていく姿をしばらく見つめる

校舎から昼休みの終わりを告げるチャイムが響き渡った





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[ T 」



新芽




自分にとっては長い昼の休憩時間、相変わらず構おうとする辺りに嫌気がさしトイレだと席を外しては避難場所を探すままに外廊下を歩いているとふと黒い猫と視線が合った。
視線が合ったままに離れぬ猫に興味を持ち何気なく近付くと距離を空けようと歩き出す猫に上履きのまま土の上へと足を踏み入れついて行く。
走るでもなく時折此方を向いては歩く猫の後を追えば静かな裏庭は日差しの避けられる木々もあり刺々しく纏っていた空気が少し癒されていく。
ふと立ち止まって再び対峙している猫に合わせ歩みを止めると更についていく事を拒んでいるのか警戒を露に毛を逆立てている猫の姿に首を傾げる。

「子供でもいるの?」

物言わぬ猫は答えるはずもない。
ふと、側にまだ青々とした若い猫じゃらしを見付け側へと歩み寄る。…本当の名前を何と言っただろうか。その茎を折るとその場にしゃがみ足元でふらふらと揺らしてみる。

「僕も嫌いだよ…構われるのなんて」

でもこんな気持ちを周りは抱いているのかもしれない。猫と一緒、愛玩動物を愛でる自己満足の対象?
ひねくれた思考に自制と共に呆れから溜め息を吐き出していると持っている茎に力が入る。
いつの間にか側で揺らすふわふわとした先端を追い掛けては片手を上げ押さえ付けようとする様は愛らしく心が和んだ。
行動に応えられる事は単純に嬉しい。それが自己満足だとしても、久々に感じる暖かい気持ちに無意識に引き締めてばかりいた唇が微かに緩む。

遂には口に咥え引っ張る力の増した猫に自らの力を解くと猫じゃらしを勝ち取ったと言わんばかりに満足げな様子に頭をゆっくりと撫で徐に立ち上がる。

「応えてくれてありがとう…君の大事な人と仲良く遊びなよ」

そう告げて走り去る猫の背を見送る。
僕も、少しだけ変わってもいいのかもしれない。季節が変わるのと同じように、自然な流れに身を任せて、少しだけなら。



それから僅かながら質問にも答えるようになった。当たり障りのない事だけだけれど、応える事で少しだけ、嫌気という重荷が薄らぐのは楽だった。
そういえば、まだ応えてない人がいたはずだ…、そんな事を考えているとふと声がした。何処か間の抜けた、あの声だ。

周りの歩みを遮るようにその場に立ち止まり横目に窺えば周りのクラスメートよりも頭一つ背の高い相手の横顔が目に入る。
その目はこちらには向いていないものの声の主がこの人なのだと何故か確信があった。



「こんにちは」



振り絞るように出した声は思ったよりも小さい。それでも声を向けてみる。応えてみる。
訝しげな周りの言葉を受け流し促されるままに再び歩き始めた。

この声が届いたなら、あの人も応えられた事を嬉しいと感じてくれるだろうか。
結局は自己満足だ、そう思いながらも思い出す相手の横顔はやはり何処か間抜けで、自然と口許は緩んでいた。









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[ M ]



青葉  春那side





あれから何度か彼と廊下ですれ違った

すれ違う度に挨拶をしてみるが、僕の声はまだまだ小さいようで

彼の耳には届かないようだ


常に人に囲まれている彼は相変わらずだった

賑わう空気を一切遮断し、静寂を身に纏っていた


周りの人間が彼に向かって話しかけていても

彼はまるでそこには誰もいないような素振りでまっすぐ前を見据えながら歩く


あまり人付き合いが好きではないらしい

それでも彼の周りは常に人で溢れている

それはきっと彼がとても魅力的な存在だからだと思う


初めて彼を見た時、目を離す事が出来なかった

教室を出ると、いつも彼の姿を探している

話してみたい、彼がどんな声で、どのように話すのか、この耳で直に聞いてみたい


僕も彼の魅力にとりつかれた内の一人だと思った

だからこんなにも彼の事が気になるのだろう


友達に、なりたいのだと思う…

自分の事なのにどこか曖昧に言葉を濁すのは

友達という言葉に、彼がうまく当てはまらないからだ


では他にどんな言葉がしっくりくるのか

皆目検討もつかなかったので考えるのを辞めた


きっと…僕自身あまり人付き合いが得意ではないので

初めて自分から人に興味を持った事に慣れていないだけだと結論付けた






桜の花がすっかり青葉に変わった頃

クロネコさんにご飯をあげようと裏庭を訪れたが一向に姿を現す気配が無い

仕方がないのでいつもの場所で腰をおろし、購買で買ったコロッケパンを食べながら

クロネコさんの姿を待った





ふと足元で何かが動く気配で目が覚める

いつの間にか眠ってしまっていたようだ

視線を下ろすと、そこにはクロネコさんがいた

ご飯をねだっているのか僕の胸元までよじ登り愛らしい瞳を僕に向けてきた


「遅刻だよぉ?クロネコさん」


両手で抱き上げると急かすように鳴き始めた


「はいはい、ちょっと待っててね」


そっと地面に降ろす、持ってきていた紙袋からキャットフードを取り出し

小さな器に入れてクロネコさんの前に差し出した


忙しく食べ始めるクロネコさんの姿を眺めていると

その足元に1本だけちぎられたネコじゃらしが落ちている事に気づく

腕を伸ばしてそれを拾い上げる


クロネコさんが食べ終わったら、これで一緒に遊んでもらおう

そう考えて、風に揺れるネコじゃらしを眺め、食事が終わるのを待った




次の日、彼とすれ違った

最早彼に会った時の日課となった僕の一方通行な挨拶

でも今日は違っていた


「こんにちわぁ」


「…こんにちわ」


すれ違い様、確かに聞こえた

驚いて思わず後ろを振り返る

彼はこちらに振り向く事なく、歩き去って行った






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[ T 」

僕はこの身長が嫌いだ。

どうせなら、見えない位小さい方がまだ良かった。






芽吹く






「行ってまいります」

そう電話に向けて告げ受話器を置く。

最悪の中学生活を終え、新しい生活が始まろうとしていた。


実力者である親元から離れた一人暮らし、でも親に反発するための新生活ではない。平穏無事に終えればそれでいい、その程度の生活が始まろうとしているだけで、嬉しさや期待など微塵も感じていなかった。

人は暇を嫌う。やるべき事はあるのに暇だと嘆いては別の形で潰そうとする。でも自分はむしろ暇でいい。周りの同年代が嫌がる「やるべき事がある暇」な状態でいい。そして、出来ることなら、その暇は一人で味わいたい。



小柄な身長や人形のような容姿、それとは反対の性格から巻き起こる予期せぬ“事故”の数々で、中学生活は封印に値する日々となった。平穏無事を願う自分に何故平穏が来ないのか、これが自分にとっての普通の状態なのか、今までにも繰り返した自問自答に飽き溜息でその思考を止める。






入学式を終え学校の生活が始まれば、自分のささやかな願いは数日の内に打ち消される。


何処から出た噂なのか家の事への好奇心や未だに緊張していると勘違いした世話焼き気取りのクラスメート達に何時でも囲まれる形となった。


(…愛想は自分の首を絞めるだけ)


廊下を歩く間、経験に基づきそう頭の中で繰り返していると、ふと、囲まれた外から声が聞こえた気がした。


勘違いかとも思ったが今、両横で聞いても居ないのに大仰な中学での武勇伝を語る人物達の声とは明らかに違う、よく言えば暖かく柔らかな声。悪く言えば間延びした声。

その場に立ち止まり振り返るも、目に映るのは数人の生徒の背中だけだった。どうしたのかと視界を遮るクラスメートに無言で視線を逸らし、進行方向に向け直し歩き始める。






僕はこの身長が嫌いだ。

だから、今だけは大きくなって確認してみたかった。








「凄いアホ面してそう…」






「え?」






自分の呟きを聞き逃さず騒々しい調子で問いかける声を再び蚊帳の外へ置き、一瞬感じた興味も忘れ再び廊下を黙々と歩き続けていく。






―――…面倒くさい事は御免だ
彼のその思考を嘲笑い、煽るように春疾風がガラスを叩いた。










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[ M ]