先日、ドイツ人の友人が、日本庭園風のお庭が一角にある、ハンブルクの公園に連れて行ってくれた。

 

そしたらドイツ人カップルさんから声を掛けられ、

「日本とヨーロッパの庭の違いは何だと思う?静かな雰囲気だなって思うんだけど違いは何なんだろう?」と聞かれた。

 

ひえぇぇぇ。

そんなん考えたことないし、言語化できないー!笑

ってなって、頭真っ白。とりあえずなんとかしぼりだした。

 

 

 

うーん、私の意見だから正しいかはわからないけど、

日本人は抜けている部分も楽しむ感じがするな(間を楽しむと言いたかった笑)

だから、整えられた綺麗なお花や植物ばかりで庭を埋め尽くすんじゃなくて、木があったり、花があったり、石があったり、水があったり、その間から空が見えたり

 

そういう、季節だけじゃなくて、時間帯や天気が違うだけで見え方が全然違うし、

水面の動きや、水や植物からの音にも変化がでるし、

そういう小さな変化を楽しめるような工夫があるように思う。

 

 

一生懸命話している間、笑顔でほほーって聞いてくれてた。笑

 

なるほどね、すごくいいね。私は大きい石が多いなぁって思ってたの。

と言われたけど、石に関してはあまりピンとこなかったので、

あーたしかにそうかも…ぐらいの返事になってしまって、さようならした。笑

 

 

日本は結構山や川から持ってきたままの形・大きさで使ってるけど、

大きさで言えば、ヨーロッパの宮殿とかでも大きい石使ってる気がするし…

あーでも池の淵は日本はしっかり固めているけど

ヨーロッパは割と境界線は草っぽかった気もしてきたぞ…:/

っていうか、庭と一概に言えど、城や宮殿の庭、公園、個人の庭で結構雰囲気違うし。。。比較対象のヨーロッパに庭がそもそもあんまりわからねえ!笑

 

 

帰ってきてインターネットで改めて調べてみると面白いことが分かった。

私はの印象は的外れではなかったよう。

 


日本の基本的な庭づくりは自然の調和を尊重しながら庭を作る。池を中心とした、自然なデザインが多い。

だから左右対称ではなく、川は流れ、石や木々も、人が手を加え過ぎた形ではない。

土地の特徴を生かし、四季折々の表情が楽しめるように構成されていて、

自然との調和を重んじ、自然の敬意、移り変わる時間などを美として感じる。

 

 

対してヨーロッパの基本的な庭づくりは左右対称で、自然の形を大きく変えることで庭を作る。

芝生、花や花壇は規則正しく切りそろえられ、

木々も何かの形に形成され、石も石像にしたりして美しく整えられている。

噴水は遠くから水をひき、水の流れをコントロールしている。

自然さえも人がコントロールできるのだと言っていると思えるほどに

人間がきちんと手入れした状態を美としている。

 

 

この説明がかなり腑に落ちた。まさにふわっと感じていたものの言語化!

 

 

ずーっと不思議だった。

私はお城が大好き。ただ、お金持ちが建てた宮殿は全然好きではなく、戦うことができるよう工夫をこらした要塞のような城の担当。笑

この戦う工夫にロマンスを感じているのだと思っていた。

そういう城は敵が簡単に攻め入れないように、自然の中に建っているから親近感があったのかもしれない。

 

 

夫は、私がお姫様が住むような大きい城が好きたと思っていたので(ディズニーが好きだから)ヨーロッパのいろんな宮殿にも連れて行ってくれた。

私も好きだと思っていた。ディズニー好きなのは童話が好きだからで、プリンセスに憧れていないけど、日本とは違う西洋のゴージャスさが好きなのかもしれないと思っていた。

でも、宮殿に行くと、なぜかいつもさみしさを感じていた。その正体は全然わからなかった。綺麗に整備されていて素晴らしい。綺麗。だけど、それだけ。なんだかつまらない。綺麗なのに、なぜだろう…:/


 

 

個人的な感想だけど、日本の庭は、意識していなくともなんだか安心感がある。

アメリカ・ヨーロッパナイズされた現代の忙しい状況や時間とは、かけ離れた特別な空間。

日本の山中の一角にでもいるように、木々や岩があり、川が流れていて、

自然に包まれながら、木々の揺れや水面の動き、動物の声などを感じ

ゆっくりと流れている時間を楽しむことができる場所。

この調和を表現できた職人やデザインした者の技術やアイデア・想い・表現力に関心し、自然や時間の尊さを感じながら、自分自身に焦点をあてることができる。

 

あと、一番大きいのは日本の庭からは「わびさび」を感じる。

「わびさび」って言葉をなんとなくしか使っていたけど、ちゃんと調べてみると

質素で、不完全な状況を受け入れ、精神的に肯定的に安住を目指す「わび」

古さ、静けさ、枯れたものなどマイナスイメージなものから趣を感じる「さび」

がくっついた言葉なんだって。

 

私たちが古い傷んだ箇所のある伝統的なお寺やお庭で、派手な装飾がなくても美しいと感じるのはこの古い不完全なものには、今に至るまで、様々な歴史があったこと自然と感じて考えて受け入れ、作られてから、今この状態になるまでの時間の流れや、人・自然の動きに、尊さや趣を感じるからだろう。

 

 

 

 

ヨーロッパの宮殿や城の庭は、まずは広大な土地を大胆で派手なデザインをしていることにまず驚かされる。色とりどりの花や木々、美しいと言われるものを集めてきたような、貴族の宝石箱のようなところ。まるで異世界のようで、そして少し暴力的とも言っていいほど、なんだか強い力を感じていた。

安心感はなく、強い圧倒感、そしてなんだか少しさみしい感じがするのは、

富を全力で見せつけられているような感じがするからだろう。

ヨーロッパの庭に立つと、整備された庭のあちこちから人の存在と、持ち主の権力と富をただただ感じる。完璧すぎなほど人によって整えられていて美しい、だがそこに安心感や尊さはない。

 

 

この景色は上流階級の人しか見れなかったんだろう。

これの維持に富を使っていただなんて残念だ。とさえふと思ってしまう。

 

まぁ日本の城の庭も、平民はみれないけど笑

でも山も自然はどこにでもあったやろうから、

わざわざ城に侵入しなくても見れるしなぁ。笑

 

 

 

ということで、決してヨーロッパの金持ちの庭を否定しているわけではないんだけど、ずっと意識せずに感じていた違和感を、人に聞かれたことをきっかけに、

言語化したことでクリアになったって話。

 

 

どんどん現代化が進んでいて町から緑が減っているので、

ヨーロッパの町の公園とか、個人的でお手入れされているお庭とかは、

むしろ結構「自然」を意識していて、ジブリっぽくて、綺麗だったりするから

そういう場所は大好きです^^

 

 

ちなみに植物園なんかに行くと、「日本庭園」と名前が付けられた一角が結構あちこちにあるけど、基本的になんちゃってが多い。

松とか、つつじとか、紅葉とか、日本に生えている植物も使われてるし、

どっかの川から持ってきたんかなって思うほど大きくて、形が整えられていない石もある。なんかかやぶき屋根の家みたいなのもあるのに…なんで違和感なんやろう…

っておもってたけど、今回のことではっきりした。

 

だいたい池っぽいのがあるけど、水が流れてないんよ。汚い水貯まってるだけ。笑

北ドイツ、山があんまりなくて、平地なので、水引っ張ってきて貯めてるだけやから

だから魚とかも住んでないことの方が多いし、違和感あるんやわ。笑

 

この点は宮殿であっても、市内の公園であっても、山育ちの私には美しいと思えず、違和感を感じ続けています。汚い水をためる意味とはと…笑

 

 

というか、私はこれまでの違和感を言語化するまでずっと、

私は日本で育っているから、ヨーロッパの宮殿の庭を趣深く感じれないのかなぐらいに思っていたんだけど、

声をかけてくれたお姉さんは日本の庭に静けさや美しさを感じていたなぁニコニコ

 

WABISABIっていう考え方と単語が美しいと、今は日本文化として知れ渡って流行ってきてるらしいけど、完璧でないものに対する情緒のある美しさは、言葉にされてこなかっただけでどこで育っていても誰にでも感じれるものなののかも…^^飛び出すハート

 

おしまい