こんばんは^^
『ALWAYS 三丁目の夕日』という映画は、日本が高度成長期に入った昭和30年代の、東京の下町が舞台です。
自動車メーカーで働くのだと、胸を膨らませて、青森から上京してきた星野六子。
でも、実際には『SUZUKI自動車』ではなく、鈴木オートという、小さくてみすぼらしい、個人経営の自動車修理工場が勤め先だった、という所から話が始まるです
集団就職なんて、面接を経て採用、とはなりません。
上野駅に雇用主が迎えに来て、初めて顔を会わせるです。
中学校の教師は、とにかく人手が欲しいという事業所に、生徒を送り込んで、事足れり。
どうせ、店員か工員にしかなれないのだから、教師の責任は果たした、となるのでしょうか。
今は、中卒で就職する人は、ほぼいなくなりました。
春なんか、高校中退ならまだしも、最初から進学をあきらめたという人は、バイトに採用しませんですし。
教育困難高校(底辺高校)の教師を経験した方が、
「生徒の希望に沿った就職先をさがすとか、世話するなんて、できない訳よ。条件に合う求人なんて、無いんだから」
と言うのも、納得なのです。
ヤンキー系、情緒障害系、無気力系と、3種類の生徒で構成されているのが、底辺高校です。
知能指数が84以下の、境界知能の割合が高いのも特徴。
頭が良ければ、底辺校に行かないもの。
まともな会社は、歯牙にもかけないです。
そもそも、比較的条件の良い企業の募集は、大学卒、大学院卒なので、高卒は応募できません。
業界大手や一流企業が底辺高校に、正社員募集の求人票を送る事はないのです。
建設・土木系の仕事は、3Kとして嫌われますが、ある程度の規模の会社は、本社要員以外は必要ないのです。
下請けを安く使えば、済むからです。
「最低でも、専門学校を出ていないと、ダメだものね」
高卒での就職希望者は、17%という現状です。
専門学校は入学金さえ払えば、誰でも入れますし、奨学金も利用できます。
仕事に対する意欲がない子や、そもそも学習能力のない子が就職をする、とも捉えられてしまうかもです。
例えば飲食系では、調理専門学校を出ていないと、応募資格がなかったりします。
板前やコックに、調理師免許は必要ないのですが。
料理人になりたいから、専門学校に行ったとなって、やる気があると、判断されるのでしょうか?
個人営業の飲食店なら、高卒でも勤められそうですが、募集しているのは、パートやバイトなのです。
「だから就職相談は、生徒の希望や要望を、1つ1つ潰していく作業になるんだ」
そして、人気のない業種や、条件の良くない事業所を薦める事になるというのです。
そうしないと、高卒の内定率が98%なんて云う事には、ならないのです。
高卒の正社員率は57.1%ですから、内定を貰っても、契約社員や派遣社員だったりしますけれどね。
はてさて、トン太君はプロゲーマーになると言い出したですが、現実味がないと、親は認めませんです。
先生が考え直すよう、トン太君を説得してくれると期待して、三者面談に臨んだのです。
しかし、先生は、
「本人がプロのゲーマーになりたいと言うなら、挑戦させてみては、如何ですか」
なんて言うから、母親は驚いたですね。
春は、さもありなんと、思ったです。
最近は、e-スポーツの専門学校が沢山出来ているのです。
生徒が専門学校に行ってくれるなら、教師は就職の世話をしなくて済むのです。
そして、就職先が決まらずに、内定率を下げる事もなくなり、進学率も上がるですから、学校としても歓迎なのです。
教師は、トン太君の母親を説得しにかかるのですが、これが何となく、納得しそうな内容なのです。
つづく
春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つをとめ