こんばんは^^

  

 前回の続きです。

 

 工場で職業体験をしていたトン太君は、どんな様子だったのか。

 

 トン太君を預かってくれた、工場の課長さんは、

「うちは10時と3時に小休憩があるから、息抜きというか、気分転換はできていると、思うんだけどね」

 と、前置きをしたです。

 

 機械や危険物を扱うので、集中力が低下して、事故が起きるのを防ぐため、休憩をはさむです。

「(普通は)そうですよね」

 トン太君は、何をやらかしたのか?

 

「長時間の作業が苦手とは、聞いていたけれど。休憩でもないのに、持ち場を離れて、いなくなるんだ

「勝手に、どこかに行ってしまうと?」

「工場の中をぶらついたり、他の従業員の作業を眺めていたり、喫煙所に居たりするというんだ」

 見学に行った訳じゃないんだぞ!

 工場は生産性向上(一定時間内に何個作れるか)のため、1秒でも作業時間短縮したいのに、サボってどうする。

 

 バイトだったら叱られ、それでも直らないようなら、クビになると思うです。

 トン太君の場合は、学校に求人票を出している関係があるし、難がある事を承知で預かったのだからと、仕事体験を続けさせてくれたのでしょうけれど。  

「ご迷惑をおかけして……申し訳ないです」

 トン太君みたいなのが混ざると、他の従業員の士気が下がるです。

     

 お昼休みをはさんで、小休憩が2回あるのですから、8時間が4分割されるです。

 作業を2時間続けるのが難しいとなると、多くの仕事がトン太君には、不向きと云えるです。

  

 25分おきに休憩をとる、ポモドーロテクニックを採用している会社ならいいかもだけれど。

 でも、コンピュータプログラマーやデザイナーなど、クリエイティブ系が多いから、技術や知識のないトン太君には難しいです。

    

 しかし、トン太君は好きな事、やりたい事には、親が困るほど固執熱中します。

 学校をさぼり、寝食を忘れてゲームをしたり、アニメを一気見をしたりもします。

 親に叱られても、云う事を聞かないです。

  

 ところが、勉強など、したくないもの、興味のないものには、なかなか取り組まないし、嫌々始めてもすぐに止めてしまいます。

 春も、試験前に下らぬTV番組をついつい見てしまい、勉強に取り掛からなかったりしたですが。

 

 やはり、原点に帰って、トン太君自身に、やりたい仕事を見つけて貰うのがしかないと、思ったです。

 見つかれば、腰を落ち着けて、いい仕事をするかもなのです。

  

 しかし、なりたい職業を見つけるのは、高校生には、難しい事だと思うです。

 就職を希望するバイト君嬢を何人も見てきましたが、自分で業種や職種が決められない子が多いのです。

 

 トン太君はなりたい職業を、思い付きでポンと口にして、周囲を慌てさせるのですけれど。

 

 つづく

  

 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つをとめ