実家でぼんやり朝寝坊をしていたら、

外の掃き掃除をする母と、

近所の老婦人のおしゃべりが聞こえてきた

 

 

孫の話になり、母が

 

「うちは3人子供を産んだのに、

孫はたった2人でチュー

効率悪かったわえー

 

と言っていた

 

 

「効率悪い」

 

その言葉に、まだあたたかな布団の中にいた私の心が、

ギュッと冷え込む気持ちになったショボーン

 

 

 

確かに私には子供がいず、

どうやら父母は、それを老人たちの集まりの中で

自分たちの自虐ギャグ、持ちネタにしていたようだ

 

 

そんな母に、近所の老婦人は、

 

「私も結婚しない娘のことが、ずっと気掛かりで

誰も貰ってくれないわ、なんて不満思ってたけど、

主人が去年亡くなって、

今、娘が家にいてくれることが、

とても幸せだと思うの」

 

そうしみじみ言う言葉に、

母は少し反省したようだった

 

 

 

そう

私には子供がいないので、

こうして自由に実家に帰って、

父母の手伝い手助けをすることができる

 

 

子供がいれば、こんなふうに帰ってきてはいないだろうが、

やっぱり、孫がたまに来れば、親は嬉しかっただろうとも思う

 

 

近所の老婦人も、

今娘さんが同居してることに幸せを感じているけれど、

配偶者や孫がいれば、それはそれで幸せだったのも間違いない

 

 

それは、どちらを選べば良かったとか、

こちらの方が良かった、とかいうことではなく

今には今の幸せがあり、

それを充分に噛み締めていること

 

 

そんなふうに私には思えて、

そして

それはとても尊いことだと思えた

 

 

 

私は私で、

父が要介護になったことで、

こうして実家帰りをして、

親との時間を紡いで行けることはとても幸せだと思う

 

 

きっとどんな状況でも

幸せになれる

幸せを見つけることはできる

 

 

どちらを選んでも

どんな人生でも

 

 

そんなふうに思えた優しいご婦人の言葉だった

 

 

(だから、母の言葉に一瞬心が冷えたけれど、

そこに留まらないで

幸せな方を向いていようと思うよにっこり