春香の脳腫瘍が分かった時、家族はうろたえ絶望しました。不安が孤立を生み、孤立がますます不安を増殖させるという悪循環に陥りました。

 

 7月30日の中日新聞の「この人」のコーナーに三重県重症児ケア家族会SMILEの会長奥山絵里さん(39歳)の記事が掲載されていました。奥山さんは、2015年に生後11か月だった次男廉大(れん)さん(10歳)が急性脳症を発症し、日常的に人工呼吸器によるケアが必要となる医療的ケア児になりました。

 

 半年の入院を経て、自宅療養になりますが、絶望感、孤独感に苛まれ、一家心中を考えるほどに追い込まれたこともありました。そんな時SNSで、県外の楽しく買い物をする医療的ケア児を見て元気づけられ、又、病院内の家族交流会に参加し、「初めて心の底から分かり合えて救われた。心が軽くなり、頑張ろうと思えた。」と感じることが出来ました。その後、自ら家族会SMILEを立ち上げたそうです。

 

 私も7階の脳神経外科にいる春香と同じ脳腫瘍の小中学生のご家族の方と何気ないお話ができただけで、どれだけ励まされたことでしょう。そして、今、子どもを先に亡くされた方とのつながりは、私の人生にとってかけがえのない財産になっています。

「心の底から分かり合う」って本当に大切です。