娘を亡くした悲しみは癒えることはありません。6月26日の中日新聞「県内版」には、「亡き娘に伝えたい『元気になったよ』」の見出しで水彩画講師の野村勝さん(82歳)のエピソードが掲載されていました。

 

 名古屋市生まれの野村さんは、戦後の混乱のため、高校進学を諦め、看板職人となり、4人の子どもに恵まれました。次女陽子さんは、一番のしっかりものでしたが、17歳の誕生日を前に自ら命を絶ってしまったそうです。学校に問い合わせても原因は分からず、「親として見てやれなかった」と自責の念にかられました。5年ほど経った後、水彩画を始め、仲間と交流するうちに明るさを取り戻していきました。10年ほど経つと作品が認められ、今は教える立場になりました。教室の名前は“火陽会”や“水陽会”など、陽子さんの名前を使っています。30年経って、「陽子には元気になったと伝えたい」と語ります。

 

 春香を亡くしてまだ3年。悲しみと向き合いながら、春香の思いを伝えていくことで、いつか「元気になったよ」と伝えたいです。その時まで、私は、春香の絵で悲しみを癒してもらいます。