新聞が大好きな私の朝は、中日新聞の「言の葉」を読むことから始まります。2022年に「坂野春香」の言葉が2度掲載されたことが嬉しくていつの間にか習慣となりました。
2024年6月25日の「言の葉」には、重い障害のある子どもたちのデイサービスを立ち上げた代表看護師の南加奈子さんの「私たちは第二の家族である」という言葉が紹介されていました。
南さんは高校3年生の時、交通事故に遭い、外傷もひどかったため、人目を避けるようになりました。そんな時、たわいもない話も聴いてくれた看護師さんと出会い、将来の夢が固まりました。
25歳の時の職場では、重い障害のある大人や子どもと出会います。初めて受け持ったのは言葉を発することもできない18歳の女性でした。その女性とのかかわりの中で、表情やしぐさで気持ちを伝えていることが分かるようになりました。20歳の成人式には、写真館で記念写真も撮りました。この時、こうした家族のような関りが私のやりたかったことだと思い立ち、重症児デイサービス開業を決意したそうです。
「親と子の思いを咲かせる場になってほしい」という温かい言葉で記事は結ばれていました。
記事を読んで、春香が亡くなる数週間前のことを思い返しました。意志の疎通は困難となりましたが、手を握れば握り返してくれるような、心と心はつながったままでいるような、そんな思いがよみがえりました。
家族のような温かい気持ちが、紙面から伝わってきました。ありがとうございました。