先日、私が勤めている学校の土曜講座に講師としてお招きしました林ともみさんの中日新聞の連載エッセイ「まあるく生きる」を毎回、興味深く拝読しています。6月18日、6回目の今回は、21リングモノソミーの美優ちゃんの4歳離れた弟さんに焦点を当てたお話でした。

 

 息子さんが年少の時、林さんが美優ちゃんを連れてお迎えに行くと、心無い言葉を浴びせてくる園児もいて、林さんは心を痛めていました。しばらくして園児は、慣れてきたのか美優さんに注意を払わなくなり、林さんは胸をなでおろしましたが、息子さんは、「美優が来たよ!」と園児を呼び寄せました。林さんは、心穏やかではいられなくなりましたが、息子さんにとってはありのままのお姉ちゃんを皆に紹介したかっただけでした。

 

 私は、次女春香が脳腫瘍の手術で利き手の右手が不自由となったとき、大好きな絵を描けなくなってしまったと思い込んでいました。ところが、本人はそうとは思っていなかったようで、懸命なリハビリ、指やパソコンなども駆使し、数か月後には、漫画やイラストを描けるようになりました。

 

 大人は、常識や世間体というバリアを知らぬ間に築いてしまいがちですが、純粋な子どもはみずみずしい感性で、いとも簡単にバリアを乗り越えてくれます。無垢な子どもたちは大人に無限の可能性を感じさせてくれることもあります。大人から見て「常識」と思っていることも、子どもの目線からは違って見えているのかも知れませんね。

 

 林さんの講演では、生徒たちも普段の授業では感じられない刺激を受けていました。私自身も、笑顔で人生を生きていくヒントをいただいたように思います。林さん、いつもありがとうございます。