2019年10月12日、この日は、東海地方に大型の台風が接近しているというニュースが前日から流れていました。再発を告げられ、次なる手術に向かって入院していた春香から電話がありました。小学6年生の頃の入院の際は、いつも妻が隣にいましたが、17歳になっていた春香は一人で病室にいたため、大きな手術を前にして心細かったのか、前日に過呼吸を起こし、SOSを求めたのです。私と妻は急ぎ車に乗り、春香の待つ病室に向かいました。普段あまり弱音を吐かなかった春香が素直な気持ちを表してくれて、心の中が満たされた気持ちになりました。病室の窓の外は土砂降りでしたが、私たち家族の心はとても晴れやかでした。

 

 5月19日の中日新聞社説には「受援力」がつなげる絆というコラムが掲載されていました。能登半島の被災者や学習支援NPOを例にとりながら「助けて」と声を上げる受援力の必要性を主張しています。

 

 「頼ることは弱さの表れではなく、頼られた人の力を引き出す勇気ある行動です」という主張が腑に落ちました。

 

 助けを求めた時、必ず誰かが救いの手を差し伸べてくれる寛容な社会を春香も望んでいたのかも知れません。

2人、テキストの画像のようです