4月12日の朝日新聞の「声」のコーナーに生まれつき睡眠時に呼吸が止まってしまう難病を患っている田野雅紀さん(18歳)の投稿記事が掲載されていました。

 

 田野さんは、その難病ゆえ夜間は人工呼吸器を使用しています。小学生の時、友だちが別の友だちの家に泊まったという絵日記を見て、「できない」ことをまざまざと思い知らされたようで驚き、悲しくなる経験をしました。

 

 しかし、成長するにつれ、他者への思いやりや障がいがある人への接し方について考えるようになりました。医師や看護師、家族にも感謝するようになり、病気のおかげで出会った人を通して考えを深めるようになったと述べています。

 

 病気や障がいはできれば避けたいものですが、そこからか気づくもの、そこでしか学べないものもあります。そして、そこからつながる不思議な縁もあります。

 

 再手術の前日に春香が残した言葉「不幸とは幸せと気づかないこと」は、そのことを伝えたかったのかも知れません。私も、春香の闘病中、そして亡くなってからもこの言葉に何度も救われることがありました。

 

 「病を患っていることを強みにしたい」という田野さんは、将来の教師を目指しているそうです。きっと、素敵な教師になれると思います。春香も最後まで話を聞いてくれる優しい先生が好きでした。