3月30日の朝日新聞の「ひと」のコーナーに障害のある娘を36年間、カメラで撮り続けた島写真家の河田真智子さん(70歳)の記事が掲載されていました。

 

 河田さんは、娘の夏帆さんを出産した時、夏帆さんは仮死状態で生まれてきました。その様子を分娩台の上からから撮り始め、その時から36年間にわたって、重い障害のある夏帆さんをカメラに収め続けました。そして、昨秋、『医療への信頼』という写文集を出版されます。

 

 河田さんは自身の不整脈もあり、命の終わりを意識しました。また、医療に支えられ命永らえてきた子の親として、医療への感謝の気持ちを込めて、写文集出版を決意されました。

 

 記事中の河田さんの言葉「重い障害があっても生きる価値はある。」が、私の心に突き刺さりました。右半身麻痺と失語症になってからも懸命に生き、その想いを「×くん」に託した春香の思いと重なったからです。また、春香は亡くなりましたが、私たち家族も医療者の皆様には感謝の念に堪えません。

 

 春香を日本の美しい島々に連れて行ってあげられなかったことが心残りです。河田さんの作品から、春香にも美しい島の風景を見せてあげたいと思います。