1月21日の朝日新聞の「男のひといき」という投稿記事に、大病のため手足が不自由になった福岡県の室井博幸さん(68歳)が、ユーミン(松任谷由実さん)のコンサートを楽しんだ様子が綴られていました。

 

 ユーミンとほぼ同年齢という室井さんはデビュー当時からのファンで、2時間半のコンサートを時間を忘れるほど満喫し、障害に負けない活力を与えてもらったそうです。

 

 このチケットは子どもたちからご両親にあてた誕生日プレゼントで、当日も介助しながら会場に連れて行ってもらい、満員の会場でもスタッフの方が車椅子に乗った室井さんを優しくフォローしてくれたようで、「たくさん、たくさんありがとう!」と感謝の言葉で結ばれていました。

 

 この記事を読んで、ふと、春香と二人での「ドライブ」を思い返しました。入院中、平日、春香に寄り添っていた妻に変わり、週末の一時帰宅の際には、私が春香を迎えに行き、病院から自宅までの片道約1時間の車の中で、車のカーステレオで好きな音楽をかけ、歌い続けていました。まるで病気のことなど忘れているかのように。年頃の娘と二人きりでドライブできるとても貴重な時間でした。言葉のいらない音楽が作ってくれた父娘の大切な時間だったように思います。