1月13日の朝日新聞の天声人語には、向田邦子さんの「字のないはがき」を引き合いに、能登半島地震の被害の大きい輪島市内の全中学生401人に、100キロ離れた施設への避難を検討しているという話題が掲載されていました。希望者は親元を離れ、施設で寝泊まりすることになります。校舎が避難所となり、学校再開のめどが立たず、生徒の学習を保障するためです。しかし、苦しい時こそ、家族が離れ離れになる辛さもあり、どちらが子どものためか、決断を迫られた親の気持ちを「せつない」と著者は慮っています。思春期真っ只中の中学生とその親御さんの決断に、胸が締め付けられる思いがしました。

 

 向田邦子さんの妹は、はがきに〇も×も書けないほどの病気にかかり家に帰ってきます。厳格な父親は普段見せない涙を流して後悔したそうです。

 

 コラムにある「家族を結ぶ糸はときに、向かい風が強くなればなるほど強くなる。」という言葉が胸に刺さります。

 

「知ったこと それは家族の大切さ」という女川町の中学生の作った句で結ばれていました。

 

 春香が教室で、友と机を並べている風景が目に浮かびました。