新年の読売新聞の「医療ルネサンス」では、新年度から始まる「医師の働き方改革」を前に、医師のやりがい、働き方、理想の医師像などが連載されています。第1回目は、上皇様の心臓手術を執刀したことで有名な天野篤さんが取り上げられていました。

 

 医師生活40年で9400件を超える手術を手掛け、現在も他院で「手術困難」と言われた手術に挑む自信は、「修練の積み重ね、工夫の繰り返しから得られない」と話します。若い頃は「人の三倍働いた」そうです。その情熱の原動力は、父を心臓病で亡くしたことで、「自分と同じ悲しみを他の人たちにさせまい。」と修業に邁進しました。

 

 自身は医学部受験に3浪しているそうで、「単に成績がいいからではなく、『困っている人を助けたい』との思いのある若者に(医師を)目指してほしい。」と呼びかけます。

 

 春香が亡くなり『春の香り』の出版後、多くの医学生とも交流を図ることができました。皆さん、本当に熱心に私たちの話に耳を傾けていただきました。春香自身も二人の主治医に、全幅の信頼を寄せていて、私たち夫婦も、亡くなった今でも感謝の気持ちが絶えることはありません。

 

 「困っている人を助けたい」という情熱がほとばしっていたことを春香も感じ取っていたことと思います。