仲秋日報の広告欄です。
この疑似新聞は半分が、宝島の「月刊たまぷくろ」でおなじみ宮永正隆さんが編集していることもあり、
「『月刊たまぷくろ』ついに単行本化決定!!」と大きく広告スペースがとってあります。
12月中旬発売予定で、価格が予価2200円。
ということは、もうこの時点でほぼ出来ており、後は出版を待つばかりの状態だったのではないでしょうか?
「月刊たまぷくろ」という「宝島」での連載はすごく面白くて毎月楽しみでした。
ここから第6号まで読むことができます。
たまを題材にしたさくらももこさんの4コマ漫画まで読める贅沢さ。
当時無事に出版していれば、ソコソコ売れたんじゃないかと今でも思っていますが、
出来なかったのもなんとなく分かるのです。
たまの人気が落ちてきていたのは明らかでしたからね。
宝島社(当時はJICC)としては二の足を踏んでいたのでしょう。
しかも、「宝島」は丁度この92年の秋頃、大幅な路線変換をしていました。
誌面にデカデカとヘアヌード写真を掲載したのです。
なんとサブカル・ロック系の雑誌から風俗系の雑誌になってしまいました。
これでは、路線の全く違う単行本など出せるわけがありませんね。
という事で、責任編集の宮永さんの努力も虚しく幻の単行本になってしまいました。
残念過ぎます。
※追記 石川さんHP ファイブクエスチョンによると、
ちなみに「たまぷくろ」が出なかったのは「たまぷくろを出版して欲しいと思ってる方、編集部までおハガキをください」と雑誌で募集したけど、そのハガキが規定枚数に僅かに届かなかった為。
という事です。そんな募集があったなんて、記憶に全くなかったな。
でも上の広告欄には「単行本化決定!!」とあるので、ギリギリまで出版する、しないの攻防があったんでしょうね。