息子の遺書はとても丁寧に分かりやすくまとめていました。はじめにから始まり、最後にで締めくくっています。
私達は、高校を辞めることで人間関係のストレスから解放される。これで解消される。と単純に考えていました。
ゆっくり過ごしてもらえれば。
そしてこれからの事を考えていこう。
私達親は子供の幸せを当然願っています。
でもそれは、つい将来に向けての願いになりがちです。
私達夫婦がすべきことは、この先の息子の幸せではなく今の息子の幸せを願い考えることでした。
高校を辞めて逃げ出すこと。
逃げ出すことで安心したと思います一時的には。でも根本的解決には至っていませんでした。
だって
遺書の中で、息子の気持ちはあの時と全然変わっていなかった。ずっとストレスを抱えたまま。自己否定感だってそのまま。
もう息子は私達家族のことは目に入っていなかった。息子の世界はいつも同級生。ここだけが息子の全てになっていたと思います。
何ひとつ解消も解決もしていませんでした。
私達は息子の何を見てきたのだろう。
高校を辞めて落ち着いたのは確かだったと思う。毎日同級生と関わらなくて済むから。1人も気楽だったと思う。
でもいつも自宅で過ごす毎日。気楽だけど高校生活を楽しんでいる友達とのギャップも感じてしまったかもしれない。
不安を抱いたり、でも僕のペースで、という思いに揺れてもいたと思います。行ったり来たり。
でもある日突然、絶望してしまった。
これは私達夫婦の推測なので、本当のことはもう分かりません。
絶望を感じた息子。
私達がそうさせてしまったー。
心療内科、カウンセリング。本当に行けばよかったと思います。でも息子の慎重な相手を読みこむ疑い深さに治療効果はあったのでしょうか。
何より本人にその意思がありませんでした。
それに一番は。
こうなってしまったから私は後悔をしているわけで、今も生きて私たちに分からないように過ごしていたらーー。私は病院を選んでいたでしょうか。
病気だったのか。
もう分かりません。
息子。
毎日お母さんは後悔してるよ。