さてお次は生活技術です。

これも家庭科で学ぶ内容とかぶりますが、やはり家庭科の時間だけでは圧倒的に時間数が足りないということで、わざわざ家庭科とは別に時間を作って学ぶのです。

目が見えないと、周りの人のやっていることを見てマネすることができないので、いやり方を工夫し、あとは反復練習して体で覚えて自分のものにするしかありません。

そのためには、何といっても練習時間と環境、たくさんの経験が必要となります。

寮生は、寮でも掃除や洗濯をしたり、通学生よりはもっと時間が取れますが。盲学校は全寮制ではないため、通学生は学校の中でやるしかありません。

また本来は家庭の中で教わるようなことを、どうしてわざわざ学校などでやるのかというと、ご両親にもいろいろな考え方がある場合が多く、中には、目が悪くてかわいそうだからと、ある程度大きくなっても日常生活の中で必要となる身辺処理や家事などをまったく教えたがらない親がいるからです。

目が見えている子供なら、親や兄弟のやっていることを見て勝手に学んでいけますが、目が見えない子供の場合、最初のきっかけは誰かが教えてやらないといつまでたってもできるようにはならないのです。

だから20代、30代と、もう一般的には社会に出て自立しているような年齢になっても、いつまでも親にご飯を用意してもらっている人や、自分の部屋の掃除も年老いたお母さんにずーっとやってもらっているという人もいるのです。

ながさんは、こういう状況になってしまった人の方がよっぽどかわいそうなことだと思います。

今、視覚障害の子供を育てているお母さんのフォロアさんに考えてもらいたいことは、将来、親子ともども、こうしたかわいそうなことにならないようにするために、この年齢くらいまでには、こういうことができるように…。と逆算して色々なことを教えてあげると良いと思います。