昨日のブログは嬉しいお知らせでしたが、
今日は悲しいお知らせをしなければなりません。

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僕の絵本、「いじめているきみへ」の挿絵が
ネット上の写真からの模写である事が分かり、

本日付けで朝日新聞出版から、
正式にコメントが発表されました。

思った以上に事実確認に時間がかかり、
長い間、何も言えずにいてごめんなさい。

そして、まだみきぐちさんを信じきっていた時に
問い合わせをくださった方の事を疑ったり、
冷たい対応をしてしまった事、
本当に済みませんでした。
反省し、お詫び致します。

僕はこの絵本のイラストについて
「絶対に模写なんて出来る訳がない」と
自信を持っていました。

それは4月末、編集部の方が
みきぐちさんの個人の作品に模写があったと聞き
この絵本について少しでも不安に思われるものはないか」と確認をした時に、
みきぐちさんから写真をそのまま写す、
模したものは無い。と言わせて下さい
と言う回答を頂いていた事と、

これらのイラストは僕が
「ここに耳の千切れたうさぎを描いてください」
「こちらには泣いている子を描いてください。
指は外側じゃなく、内側に向けてください。」
と、めちゃくちゃ細かい指定をした上で
描いて貰ったものだからです。

なので、どこをどう考えても、
そんなピッタリ条件の合う画像が存在するとは、
到底考えられませんでした。

ずっと「まさか」「そんなはずはありえない」
「何かの間違いであって欲しい」と、
祈るような気持ちで調査結果を待っていました。

しかし結果は、最悪のものでした。


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この絵本を応援してくださったみなさま、
お力を貸してくださった皆様、
感想を送ってくれた全国の小中学生の皆さん、
本当に申し訳ございません。

この絵本は発売後、ありがたいことに
多くの反響をいただきました。
夏休み明けの児童たちの自殺を止めるべく、
毎日、多くの人々が動いてくださっていました。
子どもたちからも紙の裏表にびっしりと書いた
感想をたくさん送っていただき
絵本を使った授業のご報告や、
出張授業のご依頼等もいただいてました。

凄惨で悲しい事件が続く世の中
被害者の気持ちに寄り添うだけでは
被害を減らす事はきっと出来ないと僕は思う。
ふとすると、いじめ加害者になってしまいそうな
これからの子ども達と向きあい、
話をするために作った
僕に取って大切な本でした。

ありがとうございます。
そして、ごめんなさい。

この事態を重く受け止め、
現在 絵本「いじめているきみへ」の
出庫・販売を停止しました。
いま店頭に出ているものはまだ購入出来ますが、
今後、書店さんに新しく入荷されることはありません。

まさに「これから、いじめについて考えて行こう」
と言うときにこのような事になってしまい、
皆様には何とお詫びして良いか分かりません。

本当に申し訳ございません。




最後になりますが、
みきぐちさんの水彩画が好きでした。
「商業で、絵本の挿絵を描いてみませんか」と、
お声がけしたのも僕でした。

しかし、これは趣味で描く絵ではありません。
無許可で他人の写真を丸写しして
絵本の挿絵にして出版すればどうなるか、
想像すれば分かる事。
また、同じ模写をするのであっても、
著作権肖像権を侵害しないよう、
自分で撮影した写真等を使う事も出来たはず。
なぜ、あれだけ時間をかけて
話し合ってつくった筈の絵本が
こんな事になってしまったのか?
こうなる前に何とか出来なかったのか?
僕は信頼されていなかったのか?
なぜ?

色々と、悲しい気持ちでいっぱいです。
しかし今出来ることは
自分の気持ちの整理よりも、
この絵本を購入してくださった皆様、
感想を送ってくださった皆様、
この絵本を全国に届けて
少しでもいじめを減らしたい、と
必死に奔走していた多くの方々、そして
模写されていた写真の、権利者の皆様に
誠心誠意お詫びすることしかありません。




こんな事になってしまいましたが、
この本に込めたメッセージは
誰の真似でもない、僕自身の言葉です。
そして「いじめに対する僕の想い」には、
一点の嘘、偽りの無いことを誓います。


現在、この写真を撮られた方を探しています。


もしこのブログをご覧になっていましたら、
お手数ですが、朝日新聞出版まで
ご連絡いただければ助かります。
よろしくお願い致します。




春名風花