女の子の身体は女の子のものですし、キズナアイの身体はキズナアイのものなので乗っ取らないでください。ぼくは他の女子がぼくの映像に声をあてて好き勝手語り、それが春名風花の意見であるかのような動画をつくってばらまいてたら気持ち悪いし許せません。あなたが同じことをされたらどう思いますか。‬




実は、私達ヲタクがやっている「二次創作」というものは、本来は全て著作権法違反です。それでもこの国で二次創作が黙認されてきたのも、コミケ文化がこれだけ発展してきたのも、それらの二次創作物をつくっているファンたちに、オリジナルの作者さんに認められるほどの、「キャラクターを愛する心」「オリジナルをリスペクトする気持ち」があったからです。




基本的に今まで著作権法は親告罪だったため、作者が訴えない限り罪に問われることはありませんでした。TPP問題で非親告罪化の話が持ち上がり、一時期かなり危ないときもありましたが、その際も「非親告罪化してもコミケなどの二次創作は除く」という方向でまとまり、二次創作は何とか生きながらえています。

それもこれも、二次創作やファンアートの盛り上がり、作者とファンによるキャラクターの共有こそが「日本の文化を支えてきた」側面があるからです。





つまり、日本の文化は作品のファンたちによる「オリジナルキャラクターのリスペクト」と、それを黙認する「作者の愛」によって、ギリギリのバランスで成り立っている。


もしも、まったく愛のない二次創作や、キャラクターの悪用が増えると、将来どうなるでしょう。


やって来るのは完全な非親告罪化により、全ての二次創作が違法とされ取り締まられる不幸な未来です。


どんなに愛があろうと関係ない。小学生が卒業制作で書き上げたミッキーマウスの絵を消され、学級新聞の挿絵は「書き直しなさい」と言われるような訴訟社会。

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ぼくは、日本の文化をそのような杓子定規なもので縛られたくはない。この優しい世界を守りたい。だから二次創作をつくる人々は、必ずオリジナルへの愛を持って作品づくりをしてほしい。


作者が「こんなふうに悪用されるなら、こんな作品をつくるんじゃなかった」と悲しむようなことは、ぼくは決してして欲しくはありません。


冒頭で紹介した、少年ブレンダさんによる「キズナアイに入ってみたよ」の動画ですが、まず本人の名前である「キズナアイ」のイントネーションが明らかに間違っている。キズナアイというキャラクターを知っている人によるファンアートだとは思えません。また、これまでの少年ブレンダさんのTwitterの発言などからも、キズナアイという既存の人格をリスペクトしているとはとても思えませんでした。


キャラクターをうみだすこと、何かを創作することとは、どのようなことだと思いますか?


人間は想像力によって、まるで本当にその人が存在するかのように、まるで本当に生きているかのように、そこにはない命をうみだすことができます。他者の人格を想像し、自分とは違う他人の物語を紡ぎ出す。これは人間に与えられた中で、最も素晴らしい能力だとぼくは思います。



⭐『人は、その手で多くの物語を創造してきた。

 喜び、悲しみ、怒り、感動。

物語は人々の感情を揺れ動かし、魅了する。

 しかし、それは傍観者としての感想にすぎない。

 もしも、物語の登場人物たちに"意思"があるとしたら、

彼らにとって、物語を生み出した我々は神の存在なのだろうか?

 

――我らの世界に変革を。

――神々の地に制裁を。

 

「Re:CREATORS」


誰もが皆、≪創造主(クリエイター)≫になる。


(⭐レクリエイターズ公式サイトより引用)



どうか忘れないでください。キャラクターは都合良く自分の言いたいことを言わせるだけの「道具」ではありません。創作をする人は、たとえ二次創作者であってもそのキャラクターにとっては自分を産んだ親であり、この世にたったひとりの神なのだから。


優しい世界で多くの人から愛されてきたキャラクターを、あなたの思想の道具にしないでください。



訳の分からないブラック校則やおかしな法律があるのは、一部の規範を乱す人間が、その他のまともな人々が勉強や生活をする妨げになるようなことをするからです。けれど、いちばん良いのは「校則や法律で縛られなくても、他人の人権や自由を守り、尚且つ他者を慮ることのできる人間でいること」であることは間違いありません。そしていったん規則に縛られてしまった世界は、とても不自由で、とても冷たく、悲しいもの。

規則が厳しくなればなるほど、私達が失うものはとても大きいのです。





春名風花




※これから勉強タイムなので連絡つきません。
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