「ねぇ、見て!向日葵が咲いてるの」
「わぁ、本当だ!すごーい」
待ち合わせ時間より少し早く着いたのだろう
彼女の変わらぬ笑顔にほっとした


向日葵ってライオンみたいだ
タンポポもライオンみたいだ

散歩の途中でタンポポを見つけると歌いたくなる
きみはダンデライオン~♪
ろくは花に例えるとタンポポ
おかあさんの太陽

ろくに望むことは何もないけれど
強いて言えば、もう少しだけ強くなって欲しい
そう、ライオンみたいに…


今朝、ろくがキッチンの方から聞こえる音に震え出した
コトッ…
カサッ…
何かの振動で引き出しの中の物が鳴ったのだろう
「大丈夫!何もいないよ…ほらね」
引き出しを開けて見せても震えは止まらず、リビングから出たいと逃げるようにドアへ…

仕方がないので寝室のサークルで留守番してもらうことにした

ろくはビビりで困る
神経質に育ててしまったから
そうならないようにと普段から師匠に言われているのに…
また叱られそうだ


7月26日 『Yoroizuka Farm』へ行く

ビビっているろくを置いていくのは心配だったけれど約束があった
彼女はとても大切な友達で、少し前にひょっこり現れた
最後に会ったのは母が亡くなる前だったから、久しぶりの再会
元気そうで安心した

「お風呂場で倒れちゃって、気づいたら病院だった…アハハ」
ちょっと腹が立って言ってやった
「二度と会えなくなるかも知れなかったでしょ??自分をもっと大切にしてね!」

彼女に会えなくなるなんて絶対に嫌だと思うと、怒鳴りたくもなる
ちょっと涙声だったかも知れない
彼女もこちらの雰囲気を察し、申し訳なさそうに目でごめんなさいと言った


鰻を食べに行こうという話だったのだけれど…
景色が良くて、目で楽しめる料理がいいだろうと行き先を変えさせてもらった
実は彼女、まだ回復しておらず何を食べても美味しく感じないと言う

そこで選んだのがパティシエ鎧塚さんのお店
小田原石垣山山頂に2000坪の農園を併設したパティスリー&レストラン
『一夜城 Yoroizuka Farm』


ここは想い出の場所で、母とケーキを食べに時々訪れた
ランチを食べさせてあげたかったけれど…
前菜からデザートまでのコース料理は二時間になる
それは母の体力的に難しく、叶うことはなかった


母と座るのは決まってトイレに一番近いテーブル
そこに座ることもできたが見晴らしの良い席にした

メインを別々のメニューにして、彼女と半分ずつ食べた
「美味しい!ここにして良かったね」
「うん、楽しいね」
お腹はいっぱいだけどスイーツは別腹(笑)


ランチは二部制でのんびり食べてはいられず、テラス席に移動してコーヒータイム
そして、時間の許す限り庭を散歩した
(川島なお美さんのメモリアルモニュメント)


小さな女の子が乗っていたブランコを羨ましそうに見ていたら譲ってくれた
大人気ない(笑)
キャハハハ~♪


二人並んで乗りたかったけれど一つが泥んこで…
彼女とバトンタッチ!
キャーッ!アハハ~♪
美人にはブランコがよく似合う(笑)


「ちょっと車へ…」
「はーい、どうぞごゆっくり」
戻ってきた彼女が手にしていたのは母へのプレゼントだった
暑いからと生花ではなく石鹸でできたシャポンフラワー
「ブルーだね…ありがとう」
「紫陽花もバラもブルーだよ」
そんなイメージだそうだ

曇り空がパッと明るようなブルー
そんな人になれるといいけど…


もしかしたら、母も空から来てくれたかも知れない
きっと…
思いがけず願いが叶った
彼女に感謝したい


今度はろくと一緒に向日葵を見に行こう
ブランコにも乗ろう
きっと、ビビるだろうなぁ(笑)



『偶然入る魂は一人もいない。これまで求めてきた理想、今もなお求めている理想を達成するために入るのである』

前ページにも書いたが
出逢いとは偶然ではないのだろう

彼女の理想を達成するために
自分をもっと大切にしなければと思った


天然で慌てん坊の彼女はよく車をぶつける
事故にも遭ったことがある
そんな彼女の車も新車だった
偶然…(*≧ω≦)



⭐~⭐~⭐~U^ェ^U~⭐~⭐~⭐


さて帰宅すると…
ろくは元気よくワン!ワン!
サークルで留守番したのはパピーの頃以来初めて
ドアを開けるとピョンピョン飛び跳ねて迎えてくれた
(おかあしゃん、おかえりー!)

おやつを食べた後はさっそく散歩へ


久しぶりの土手ん歩
らんらんら~ん♪
ふんふんふ~ん♪


でも、やっぱり暑くておかあさんに宿る


「暑いね、ろく大丈夫??」
(ちょっとやすみますー)
「いやーん…ティンティン出ちゃってるぅ」
放熱(笑)



おかあさんがいない間、怖くなかった??
ハイ!これを被ってみよう♪


おかあさんがポチったライオンさん(^^;


ろくはもっと強くならなくちゃね!


小さなことを気にしてクヨクヨ…
自分は大丈夫だろうかとドキドキ…
そんなおかあさんが先ず変わらないとね
頑張るぜっ!

おしまい(*´∇`)