テツ旅で見つけた味の途中ですが💦、今年もやって来てしまいました!

アジアのエンタメ映画の祭典・第19回大阪アジアン映画祭に。

今年は久々のフル参戦。

だから、一回コレをやってみたかった!

損得勘定なしに純粋に映画祭を楽しむことを。

今まで数々の映画祭に参戦して来ましたが、記事化を考えるとどうしても話題性とか著名な日本人が出ているとか、需要を最優先において予定を組みがち。

その記事執筆に追われて、映画を見る時間を捻出するのに一苦労です。

せっかく映画祭に来ているのに、本末転倒。

というわけで、今回はこのブログでつらつらと心が動かされたことを綴ります。

いやぁ、初日から刺激的でした。

1本目に見たのが特別上映<大阪万博と勅使河原宏>『1日240時間』(1970)

 

                     (C)一般財団法人草月会/『1日240時間』

 

 草月流三代目家元にして、映画、舞台美術、陶芸など芸術分野で異彩を放った勅使河原宏監督(1927ー2001)が1970年の大阪万博で、自動車館(日本自動車工業会)のパビリオン用に制作した30分の短編映画です。

 上映後に講演を行なった、安部公房と勅使河原宏監督を研究している甲南大学文学部日本語日本文学准教授・友田義行さんによると、2012年に元勅使河原プロダクションのプロデューサーだった野村紀子さんと、スクリプターの吉田栄子さんから本作のフィルムと音声テープが現存していることを知らされ、復元プロジェクトを始動。

 4面スクリーンで上映された映像と音声をデジタル化し、それらを1本に合成して2013年に完成。そして2025年に万博が開催される大阪にようやく凱旋したというもの。

 万博開催については思うところがありますが(苦笑)、本映画祭の主催団体には大阪市も入っているということで、今回の上映は大阪中之島美術館で無料特別上映です。ありがたや。

 

物語の舞台は近未来の日本。モータリゼーションに高度経済成長を迎え、生活環境が目まぐるしく変わる中、とある研究所で開催されたのが「アクセレチン」という薬。これを吸引すると人間の活動速度が10倍になり、タイトル通り1日が240時間に相当するという。夢のような薬かと思いきや、超倍速で行動できるようになった私たちの心身に異変が生じていくという話。

脚本は勅使河原監督と映画『砂の女』(1964)、『他人の顔』(1966)などで組んだ作家・安部公房。

そう聞けば納得のシュールさですが、この時の万博のテーマは「万博のメッセージだった「 技術の進歩が社会を豊かにし、人を幸せにする」です。繰り返しますが、依頼は日本自動車工業会です。なのにテーマに疑問を投げがけ、モータリゼーションの弊害を皮肉ったような内容が、よくぞ!と思わずにはいられません。

きっと水面下では色々あったのでしょうが、万博という国家事業でありながら依頼する方も受ける方も、通り一辺倒なことはしないぞ!という共通認識のもと、大人な関係が成立していたのでしょう。

現在進行中のEXPO2025もきっと..... 。皆まで言うまい。