こんばんは。

前回の記事より少し時が経ちました。

ちょっと長いです。


前回の記事はこちらから


続きです。


初日の打合せは、平出さんと何を話したか
よく覚えてませんが、

お仕事を受けてもらえないでしょうか。
お願いしに行った感じです。
平出さんは超忙しい方ですが、
「まあ、やってみましょう!」と言ってくれました。



その時、音の方向性に関して言うとバッチリ
決まっていた訳ではなく、バンドのメンバーも私も

手探りと言う状況でしたが、その次に会社で平出さんを
入れてバンドのメンバーとも打合せをし、
とにかく、1曲一緒にプリプロをしよう!
進みだしました。

(プリプロとは、、、お試しレコーディングと言ったら

分かりやすいかなあ。。

仮でアレンジが出来がった曲にボーカルを入れて、曲全体の

修正点を確認をしたり、アレンジの確認、歌詞のふわりの確認、

方向性など本レコーディングをする前にやるテストレコーディングの

ようなものです。)


メンバーの作ってきたデモを平出さんに渡して、
そして、しばらくして平出さんのアレンジが出来上がってきました。


聞いた瞬間、、
「なんじゃこりゃ〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!」


メンバーもめっちゃ、テンション上がったし、
私自身も、これがカセットテープだったならば、
擦り切れるほど、何度も聞きました。

さすが、平出さんです。
ってか、当たり前です。

メンバーが作ってきたデモが、磨かれた宝石のように、
素晴らしいアレンジで光輝きました。

それは、本当に今聞いても素晴らしいです。


そして、プリプロをやることになりました。

本来は担当ディレクターがいて、音まわりの事に関しては、

ディレクターがプロデューサーとやりとりをするのですが、
この時は担当ディレクターがおらず、私がその業務を兼任しました。
マネージャーとして、レコーディングは全部立ちあってきましたけど、
今回はちょっと違いました。
音に関して、専門的なことは私もわからない領域があります。
だからこそ、それぞれ担当が違うわけですから。

だけども、赤っ恥かいても今回はやるしかないな〜。
あ〜、しかも平出さんだ〜、、、、と。

こういう時は覚悟を決めるしかないです。

またまた、脇汗もんでした。

途中、おそらく「どうします?」と言う判断は私に聞かれるだろう。
だけど、上司の確認も必要だし、バンドのメンバーもそこにいるし、
板挟みはいつもマネージャーの常だし、わからないなら
わからないと正直に言おうとレコーディングにのぞみました。

結果、、、
そのプリプロは、普通にサクサクと進みました。
平出さんはプロですから、私がどれくらいのレベルで
音に関してのことを話せるかわかってましたし、

現場はピリッとする時もあったし、笑いが出る場面もありました。
それでも、緊張はずっとしてましたけどね。笑
プリプロはいい形で終わりました。

その夜、みんなでスタジオの近くに居酒屋に行きました。
夜中まで、色んなことを話しました。
音楽のこと、平出さんの仕事のこと、真剣は話、バカな話も
たくさんして盛り上がり、平出さんと仕事をしてお酒も飲んで
打ち解けた感覚がありました。

平出さんと作ったデモはみんな気に入ってくれました。
この時は、このまま平出さんと曲作りが続いていくものだと
思っていたのすが。。。

そして、その後、平出さんは他の仕事でスケジュールがいっぱいで
しばらく一緒にスタジオに入れないし、なかなか曲をアレンジする
時間がないので、バンドで出来る限りのことをやっておいて欲しいし。
他のアレンジャー、プロデューサーの方ともやってもらって大丈夫です。
と言ってくれ、時は流れていきました。

その流れの中で、平出さんと仕事ができない間、
平出さんと作った曲の方向性と、今後のバンドの曲の方向性は
違うのでは??簡単にいうと、もっとナチュラルな方向がいいのでは?
という話になっていき、そもそもそうであれば、プロデューサーは
平出さんでなく、別のプロデューサーの方はいいのでは。
という話になり、他のプロデューサーの方にお願いする流れに

向かっていました。

 

私は、その時、、、、、、
本当は平出さんともう少し曲を詰めてみたかった。
違う方向性でも、平出さんに話して説明して
お願い出来るかどうかいて聞いてみたかった。

1曲で判断するのではなく、可能性をもっと探って
みたかったのです。

だけど、私は上司にも平出さんにもバンドメンバーにも
誰にもその思いを話さず心にしまい込みました。

そして、バンドは違う音楽の方向性で進み出しました。
今思うと結果、それで良かったと思っています。

ただ、私はその思いをどこか引きずったまま時は流れました。

そして、ちょうど平出さんとプリプロをして1年弱が経った
年の瀬のある日、平出さんが年末なら少し時間があるということで、
私は平出さんと飲みに行きました。

平出さんは、1年弱のその間もたまに心配してくれて
連絡をくれていました。
状況はお伝えし、他のプロデューサーさんとやっているなら
それで良かった。と言ってくださり、
(ご本人も忙しいので、こっちに付きっきりはできなかったので。)
本当にこの方は、仕事もピカイチだけども、人としても
あったかい人だなあと思いました。

その2人で飲んだ時に、私は

「実はあの時、本当は違う方向性でも平出さんとやってみたかったし、
それをやってみたいと上司にもメンバーにも言わなかった。
まして、平出さんにも言えるはずなく。。。
みんなに話す勇気もなく、勇気を出そうとせずに終わりました。

それが心残りです。」

と正直に話したら、
平出さんは、


「なんで、言ってくれなかったんですか!!!!!!!!!!!!
俺は全然何を言われても大丈夫だし、やれるだけやりますよ。
香野さん、あのね、香野さんが思う以上に俺は今までアレンジ、
プロデュース色々、こうしてくれ、ああしてくれって、
言われてきてるんですよ。
そんなことで、ムッとしたり怒ったりしない。
もし、今度、一緒に仕事をすることがあったら、必ず、必ず、
何でも言ってください。
香野さんが音に詳しいとか、専門用語がわかるとか関係ないんです!
香野さんの感覚でいいんです!というか、それが全てです。」


私はもうただ、ただ、感動と共に呆然とするばかりで、
平出さんに感謝と尊敬の心でいっぱいで、とにかく心がいっぱいになった。
いくら飲んでも酔いませんでした。


本音を話す、正直に話す。
このパワフルさを体感したのです。
その時に私は平出さんに話していなかったら、
どこかずっと引きずっていたかもしれません。

 

 

私は名うての新人を何人も育てあげた名マネージャーとかではないし、

ヒット作をたくさん出したディレクターとかじゃないし、

そんな意見なんて言っちゃいけないと勝手に思っていたんですね。。。。

 

一体誰がそんなこと決めたのか?

誰も決めてない。

私が作った制限でした。

 

他にも、平出さんと話したことは、

そのアーティストに1番熱を入れているのは誰ですか?

スタッフとして、その人の想いが大事でしょ!

と、そんなことも話してくれました。

 

私は正直に話したことで、今まで閉じていた可能性が

開かれたように思いました。
そして、いつかまた平出さんと仕事をしよう!
と希望も持ちました。


正直に話す。
本音を話す。


それは、もしその時に出来なかったとしても、
後からでも勇気を出して、話してみると
思いもよらなかった扉が開くかもしれない。


このエピソードはいつか話したいなと思っていたことです。
バンドは色々ありデビューはしませんでしたが、

私は後悔が全くないです。
出来たこと、出来なかったことありますが、

心からバンドメンバーへの愛情も持っていたし、

本気でやれたから。

(その時、言えなかったこともこうして、平出さんに伝えれた。)
平出さんと出会えたことも本当に大きかった。

 

この経験の後、もうひとかたプロデューサーさんと仕事をしたのですが、

平出さんとの仕事の経験は大いに私を変えました。

その方もみんなが名前を知っているアーティストのプロデュースを

されている方ですが、この方とのエピソードも私の人生にたくさんの

気づきを教えて頂きました。それはまた、いつか話そうと思います。

 

 

 

本当のことを伝える。

本音を伝える。

 



次回、平出さんと仕事が出来る日が来ても
来なくてもいい。

だけど、また仕事やりたいな。
いや、やろうと思う!

 

 

平出さん、ありがとうございます。

心から感謝しております。

 

 

香野晴美

 

 

 

{B890AB2C-A7A4-40C8-B158-4747D32929EA}




追記:
平出さんが作曲しているUVERworldの曲です。
私はこの曲のメロディも歌詞も大好きです!

この曲に何度も勇気をもらいました。
 

 

AD