私は人を家に招き、「おもてなし」をすることが好きです。

 

 
 
 
 

 

アメリカ生活を満喫してきた友人に、よくホームパーティーに招待されました。

 

 

 

 

 

主催者がすべて準備するのではなく、出席者が一品ずつ持ち寄る気軽なポットラックパーティーに参加するなど楽しみました。

 

 

 

 

 

何度も何度もパーティー文化に触れるなかで広がる、人と人との繋がりや、相手を思いやる場に素晴らしさを感じていました。

 

 

 

 

 

「おもてなし」とは、客に対する心のこもった接遇、歓待、サービスなどを意味する言葉です。

 

 

 

 

 

「おもてなし」に、標準化された正解はありません。

 

 

 

その人、そのとき、その場所によって、最良の選択は変わります。

 

 

 

 

 

だからこそ、感じ取る力、発想する力、想像する力を発揮して、どうすれば目の前の人に喜んでもらえるのか、を考えることが大事になります。

 

 

 

 

 

言われたことだけ、決められたことだけをやっていれば良いと思っていると、思考停止状態になって、お客様に寄り添うことができません。

 

 

 

 

 

お客様の心に残るサービスをするには、「どうすれば良いかで考える」ことが大切です。

 

 

 

 

 

出世ができない人には、言われたことができない人と言われたことしかできない人の2つの特徴があるそうです。

 

 

 

 

 

私が現役販売員だったころ、尊敬する先輩から、「お客様を笑顔にしたければ、いつも『どうすれば?』で考えなさい」と教えていただきました。

 

 

 

 

 

先輩は、「お客様がお見送りするとき、『ありがとう』と思わず販売員に言いたくなるようなサービスをしようと、毎回、毎回、心がけていた」そうです。

 

 

 

 

 

あるとき、店内に、何度も咳き込んでいるお客様がいらっしゃいました。

 

 

 

 

 

私が「お風邪ですか?」と声をかけると、弱々しくうなずきながら、「喉が痛むのだけど、大事な会議があって休めなくてね」と困った表情を見せられたのです。

 

 

 

 

 

私は、「お客様に少しでも元気になっていただくには、どうしたらいいか?」を「どうすれば?」で考え、私が子どもの頃から、風邪を引いたときにしている「紅茶のうがい薬」のレシピをお渡ししました。

 

 

 

 

 

すると、お客様は大変喜んで、お帰りになるとき、「さっきはありがとう」と、わざわざ言いに来てくださったのです。

 

 

 

 

そのときの、お客様の笑顔を、私は忘れることができません。

 

 

 

 

具合が悪そうなお客様のために、「自分にできることは何か?」を考えて行動し、その結果、お客様の笑顔が見れたことが、なにより嬉しかったのです。

 

 

 

 

 

相手の役に立てるかどうか、心配ですよね。

 

 

 

 

 

「仕事」という枠組みのなかで考えれば、提案はやるべきことではありません。

 

 

 

 

 

ですが私は、常に「どうすれば?」で考え、「相手の役に立ちたい」という思いで行動をしています。

 

 

 

 

 

そこまでするからこそ、多くの人に喜ばれるのだと思います。

 

 

 

 

「どうすれば?」で考えれば、なにかしらかならず相手の役に立てます。

 

 

 

 

 

 

「こころに寄り添うこと」こそ、「おもてなし」において思い切り大切なことだと思うのです。

 

 

 

 

 

なにをもてなすのかと問われたとき、それは相手の「こころ」です。

 

 

 

 

 

ただ一方的に、こちら側の判断だけで「もてなす」のであれば、それは無理強いになってしまいます。

 

 

 

 

 

だからこそ、相手の「こころ」に寄り添い、必要としていることを感じ取って「もてなす」ということを、忘れてはいけない気がします。

 

 

 

 

 

相手の「こころ」を大切にすることが、「もてなし」に「お」という丁寧がついた「おもてなし」なのではないでしょうか。