小学校の校庭のそばを通りました。

 

 

 

 

ちょうどお昼休みの時間だったようで、風鈴のようなさわやかな子供たちの声が明るく、空に響いていました。

 

 

 

 

わあ、良いなあ、楽しそうだなあ、と思いながら歩いていました。

 

 

 

 

 

子供たちが三人になっても、愛情は同じだけ増えていきます。

 

 

 

 

 

よろこびも、楽しみも三倍になるのです。

 

 

 

 

 

正確に三倍かどうか測れるわけではないけれど、湧いてくるものなのです。

 

 

 

 

 

愛情とか、よろこびとか、楽しさとか、つまり「幸せ」です。

 

 

 

 

 

それらは限りあるものではありません。

 

 

 

 

 

どんどん生まれてきて、人生を輝かせてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、「感謝には、2つの感謝」があると感じています。

 

 

 

 

 

「結果の感謝」と「過程の感謝」です。

 

 

 

 

 

出張先で宿泊をしていると、ときおり、地方の日本酒の「銘酒」と出会うことがあります。

 

 

 

 

 

私は、あまり、お酒を飲まないのですが、知り合いにプレゼントをするのが好きなので、めずらしいお酒を見つけると、買って帰ることがありました。

 

 

 

 

 

 

友人にお酒をプレゼントしたとき、「これはめずらしいお酒だね。ありがとう」とお礼をいただくのですが、この「お酒に対するありがとう」が、「結果の感謝」です。

 

 

 

 

 

私はプレゼントしたすべての人から、「結果の感謝」をいただいたのですが、ひとりだけ、「ありがとう」のあとに、「過程の感謝」を一緒に添えてくださったのです。

 

 

 

 

 

「工藤さん、このお酒の瓶は、持って帰ってくるの、重かったでしょう」

 

 

 

 

 

私は、救われた気がしました。どうしてかというと、本当に重かったからです。

 

 

 

 

 

しかも割れやすいので、帰宅途中、気をつけて持ち運ばなければなりません。

 

 

 

 

 

この方は、私がお酒を買ってから、プレゼントするまでの「過程」の大切さを想像し、共感し、ねぎらいの言葉をかけてくださいました。

 

 

 

 

 

私はそのことがうれしかったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

多くの人が、「結果」にのみ、「ありがとう」をいいます。

 

 

 

 

 

ですが、その結果に至るまでの「過程」にも感謝を向けることができれば、もっと広く、もっと深く、もっとあたたかく、相手の心を豊かにできる気がします。

 

 

 

 

 

「過程の感謝」+「結果の感謝」=「本物の感謝」

 

 

 

 

 

社内研修が終わって、参加者にアンケートを取ると、100人にひとりくらいの割合で、「研修内容」に関する「感謝の結果」だけでなく、研修の準備に対する「過程の感謝」を述べてくださる方がいます。

 

 

 

 

 

 

「こんな素敵な研修をありがとうございました」

 

 

 

 

 

「人事部の方々は、研修を開催するまでの時間、とても労力をかけられたと思います。ありがとうございました」

 

 

 

 

 

研修は、講師だけで成立するわけではありません。主催者との共同作業です。

 

 

 

 

 

準備に感謝できる人は、そのことを想像できている人です。

 

 

 

 

 

ですから、講師の私にだけでなく、研修の機会をつくった人事部や総務部にも感謝を述べることができたのです。

 

 

 

 

 

主催者は、「報われた」と感じたことでしょう。

 

 

 

 

 

感謝の気持ちを伝える前に、「その結果に至るまでの過程」を想像するくせがある人は素敵です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、「結果の感謝」と「過程の感謝」の二つが揃ってこそ、「本物の感謝」を伝えることができると思っています。