人生には、失敗を恐れずに、挑戦する必要があるときも存在しています。
ですが臆病な性格が原因で、挑戦せずに後悔した経験がある人もいるでしょう。
臆病な性格が、人生の選択肢を狭めてしまうケースは、決して少なくありません。
臆病とは、「気が弱かったり小さかったりして、ちょっとしたことでもビクビクして恐れること、あるいはその様子」を意味しています。
世間には慎重すぎる人もいれば、逆に度胸のある人もいます。
みなさん自身が臆病な場合、「どうして自分は臆病者になってしまったのか」と悩んでいることでしょう。
ですが、臆病な性格の人が臆病であるのには明確な理由があって、その理由は心理から来ているのです。
心理的な理由を5つ
失敗をするのが怖い
仕事や学校生活、あるいは恋愛が上手くいかないと、「恥ずかしい」と思ったり落ち込んだりの後ろ向きの考えに落ち込みます。
特に、過去に大きな失敗経験があると、それが心の痛みとなって、結果が出る前から必要以上に慎重になったり恐れたりしがちです。
それが臆病という心理現象なのです。
失敗を必要以上に恐れる人は、臆病である可能性が高いといえるでしょう。
責任を負いたくない
仕事で失敗すれば、その悪い結果について、上司から叱られたりすることになります。
責任を問われれば、将来の昇進や給料にも悪い波紋を広げることになるので、できるだけ出すぎたことをしないように、やけに注意深くなってしまうのです。
その上、臆病風に吹かれることで、責任から逃げ続ける”卑怯者”扱いされることもあるでしょう。
責任を負いたくないという心理が、臆病な心を作り出します。
人に嫌われたくない
人は他人から見限られることを恐れ、余計なことをいったり、新たな人間関係をつくり上げることを避ける場合があります。
生きる上で人間関係が重要だと、私は思います。
ですから、人に嫌われてしまうと、自分の社会的立場が危なくなることもあるでしょう。
いじめや仲間はずれなどが、人に嫌われることの象徴的な例でしょう。
人に嫌われたくないという気持ちが、人間関係で臆病にさせてしまうのです。
自分より他人の意見の方が正しい
自分に自信が持てないと、他人の考えを優先する傾向が出て来ます。
自分の意見や考えが間違っていれば、他人からの信用を無くしてしまいがちです。
また、人からの評価が落ちることを恐れ、何もいえなくなったり、自分の考えで行動ができなくなるのです。
自分を信じられず、他人の意見を尊重する心理は、震えおののく状況を招きます。
周りからあきれられるか不安
他人からからかわれることを恐れると、なにごとも穏便に済ませる傾向が出てしまうこともあります。
集団の中で間違ったことをいったりやったりすると、周囲の人間から不快なことをいわれるようになるので、できる限り余計な発言や行動を避ける心理が働くのです。
周囲の人からあきれられることを恐れる気持ちは、人を臆病な性格にする原因になってしまいます。
臆病とは、「必要以上に怖がってしまう心理状態や性格」を意味しています。
臆病とは性格上の問題であり、臆病だと思っている人も痛感しているはず。
そして臆病な性格にも、いくつか特徴が見られるのです。
臆病な性格の5つの特徴
行動を起こす前に、「できない」を考えるネガティブな性格
最初から悪い結果を想像すると、現実には出てもいない結果を恐れ、人はなにもしなくなります。
例えば、自分の学力以上の学校に進学しようとしても、試験に落ちる確率が高いと思えば、努力して勉強する気も最初から無くなる、というのは典型的です。
もちろん、極端に可能性の低い賭けを避けられる長所もありますが、良い結果を得るため、チャレンジ精神はときには必要です。
ネガティブな性格は、臆病な性格の表れなのです。
頭がパニックになりやすい
臆病な人は、大きな問題が起きたり、突然ひょんな事が起きると、それ以降なにも考えられなくなりがちです。
気が小さいので、ちょっとしたことでも怖がったり驚いたりして、ひどい思考停止状態になるのです。
お化け屋敷などで、悲鳴を上げたままうずくまるようなケースが、代表的なパターンといえるでしょう。
性格的にパニック状態になりやすい場合、臆病な性格の特徴がよく出ているというわけです。
人と関わろうとしない
臆病な性格の人は、人間関係の失敗をかなり嫌がる傾向があります。
人に嫌われることを恐れ、実際に嫌われる前から人間関係を作ることを拒絶するためです。
ただ、人と関わらないことで嫌われることが防げても、結果として人と関われないという点では、実は全く同じ結論だという皮肉な面もあります。
臆病な性格は、引っ込み思案になる特徴を生み出しますが、つまり恐れている事態に陥っているのです。
心配性でなんでも不安になる
日常的に、何かしらの気がかりなことを抱えているのも、臆病な人の特徴です。
あらゆる細かいことで不安を感じてしまうので、普通の人なら気にならないような心配事に、朝から晩までわずらわされてしまいがちです。
気分が休まることがほとんどないので、結果的に精神面での病気になる人すらいます。
不安感にさいなまれる心配性も、臆病な性格が元になっていることが多いのです。
周囲の評価ばかり気になってしまう
臆病な人は、他人からどう思われているかを異常に気にします。
人間関係面でも臆病なので、人から嫌われることを酷く恐れており、他人から低い評価を受けることに耐えられないのです。
社会的な評価ばかりに振り回されれば、大きな不幸といえるでしょう。
周りの顔色ばかりうかがうことは、臆病な性格の不幸な特徴なのです。
臆病とは基本的に性格の問題ですが、性格は当然行動にも影響を及ぼします。
みなさんが臆病ならば、自分の行動に制約が出てくる経験をしているはずです。
臆病は性格の問題ですから、先天的な問題だと思い込みがちです。
引っ込み思案な性格を直したい、臆病者と言われたないと思っている人にとっては、絶望感を感じてしまうかもしれません。
ですが、臆病な性格を克服できる可能性は、確かに存在しているのです。
臆病な性格の克服に役立つ7つの方法
毎日小さな目標を立てて成功体験を積む
臆病な性格を克服するために、ハードルの低い課題を設定してこなすことが挙げられます。
自信の無さを原因とする臆病な性格を、成功体験を積み重ねることで直そうという考えからです。
恋愛であれば、好きな人と挨拶を交わすなどの、だれでもできるようなことが良いでしょう。
小さな成功体験を着実に増やすことは、自信を付けて臆病を克服できる上、成功に至るまでのパターンも習得でき、難しい挑戦の成功確率を上げてくれる効果も見込めます。
新しい趣味などを始めてみる
新しい分野に取り組むことも、臆病な性格を直すにに役立ちます。
臆病とは、未知の領域に踏み込むことが苦手な性格なので、新しい趣味は、新しい世界を知るきっかけになるからです。
また、資格などにチャレンジするのも、仕事に活かせるという点で、更にメリットが大きくなることもあります。
新たな趣味を始めることは、臆病の克服に役立つだけではなく、人生の可能性を広げるチャンスでもあるのです。
臆病になった原因を改善する
後天的な理由で臆病になった場合、理由そのものを取り除くのも、臆病の克服に繋がります。
原因が無ければ臆病という結果も無いのですから、非常に合理的な方法といえるでしょう。
一番難しい方法ですが、根本的な改善が出来るので、強い克服効果を生み出すのもまんざら夢ではありません。
臆病の原因そのものの改善は、不幸な過去と向き合う必要があり、大変辛い作業ですが、乗り越えられるのであれば理想的な克服方法なのです。
自分の理想を目指すために、自分磨きを行う
コンプレックスの克服のため、資格取得やカルチャーセンター、あるいはセミナー通いするのも良いでしょう。
理想と違う自分への劣等感を克服することで、自分に自信を付けて、臆病な自分から抜け出せるといわれています。
ただ、単に自分磨きと言っても、欠点や短所の解消による方法と、長所を伸ばす方法の2つの方向が考えられます。
一般的には、長所を伸ばすことで自信を付ける方が楽だといえそうですが、どちらを選ぶかは、最終的にはみなさん次第でしょう。
このように、自分磨きで理想の自分に近付くことも、克服方法の1つです。
好きなことをやって、ストレスを解消させる
精神的疲労の蓄積を嫌って臆病になっている場合、発散させることも克服に繋がります。
ストレスが溜まっても、すぐに解消できれば、恐れる必要がないからです。
趣味でもスポーツでも、何でも自分の好きなことをすれば、いら立ち解消だけではなく、自信まで湧いてくると考えられます。
好きなことでストレス解消することは、臆病な性格を直すきっかけだけではなく、新しい世界に視野を広げる機会にもなります。
自信がある人の姿勢を真似してみる
臆病とは無縁の人の態度や言動に注目するのも、実は臆病克服の方法なのです。
行動が心理や性格に影響する場合もある、といわれています。
自信に満ちあふれた人の振る舞いを真似してみるうちに、自然と自信が付いて来る可能性も捨て切れません。
ただ、かなりハードルが高い方法ですので、最初はほんの一部分の真似から始めてみるのが良いでしょう。
自信がある人のライフスタイルを真似することで、臆病な自分とおさらばできるかもしれません。
失敗したら反省ではなく、学んだことを活かそうとする
失敗からなにかをつかもうという意識も、臆病からの克服に役立ちます。
臆病は、失敗を必要以上に恐れる心理から発生することが多いので、反省よりも、失敗から得た教訓を強く意識するというわけです。
ただ、教訓と反省は重なる部分も多いので、反省の仕方をポジティブ思考にするという方が、よりわかりやすいでしょう。
失敗をプラスにとらえる姿勢は、新たな課題にも活かせれば、成功しやすくなるというメリットもあります。
人間にとって臆病という心理は、一定の役割を担っていることもまた事実でしょう。
たとえば、物事が順調に進んでいても、「なにか問題が出て来るかも」と言った不安は、調子に乗って軽率な行動を取るのを防ぐ効果があります。
他にも、失敗を恐れる心理は、完璧さを追求する姿勢に繋がり、仕事や勉強で成功に導く効果をもたらす場合もあるでしょう。
つまり、臆病であることが問題になるのは、あくまで過度に出る場合だけであり、臆病な性格そのものは、うまく利用すればプラスに転換可能なのです。
実は臆病にも良いところがあります。
決して自分を責めないことです。