「好きな花」を考えるとき、私とみなさんでは、違う花を思い浮かべるはずです。

 

どうしてかというと、花にまつわる「経験」が、人それぞれ異なるからです。

 

 

 

 

私の好きな花は、「バラ」です。

 

 

子どものころ、友だちと一緒にバラ園を見にいったことがあって、それ以来、楽しい思い出とともに、私はバラが大好きになりました。

 

 

私の過去の経験が、バラを思い浮かばせているのです。

 

 

 

その人の「考え方」は、その人の「経験」に左右されます。

 

ところが、自分と「すべて同じ経験を積んでいる他者」はいませんから、「人と人が、100%理解し合えることは不可能」だと結論づけることができます。

 

 

 

ある方から「理解は偶然に起こり、誤解は必然に起こる」という言葉を教えていただきました。

 

 

 

「話し手の言いたいことが、聴き手に正しく伝わる」のは偶然にすぎず、むしろ「話し手の言いたいことが、聞き手に正しく伝わらない」ことのほうが、多いのではないでしょうか?

 

 

 

「その人の経験」が違えば、理解のしかたも変わります。

 

 

真実は、正しく伝わってこそ「真実」となり、伝わらなければ「誤解」になります。

 

 

「自分の考え」を正しく伝えることができなければ、「真逆の意味」として伝わってしまうことさえあります。

 

 

 

ですが、「100%わかってもらうこと」はできるはずです。

 

 

 

 

私は「誤解は必然に起こる」という前提に立つようになってから、言葉を省略したり、短くしたりせず、たくさんの言葉を費やし、「できるだけ丁寧に伝える」ように心がけています。

 
 
「伝わらないのが当たり前」だからこそ、「伝わるように努力する」ようになったのです。
 
 
 
その結果、「誤解されること」が、ずいぶん少なくなってきました。
 
 
 
「理解は偶然に起こり、誤解は必然に起こる」ことを前提に、相手の頭の中でイメージがふくらむように話しましょう。
 
 
 
そうやって、丁寧に丁寧に言葉を積み重ねていくことで、「相手に100%伝わる努力」を続けていくことで、良好なコミュニケーションを行ううえで、非常に大切なことなのです。