その夜帰ると、


旦那がせまってきた。


私は正直やる気なんてなかったけど、


どうしてもと言うから受け入れた。


どうしてか、身体を触れられたら涙が溢れた。


急にだった。


『ごめん、ごめん…』


タケルに謝ることしかできなかった。


タケルはどうして良いのかわからず、私を抱きしめた。


目を閉じたらシュンさんがいた。


気づいた。


私、シュンさんが好きだ



気づきたくなかった。
シュンさんは優しかった。


旦那と最近どうよ?


とかそれとなく心配しているのがわかった。


家族想いで、仕事が出来て……


まさに憧れだった。





ある夜、シュンさんと仕事を終えて、帰ろうとしたとき


『おい、こう、ちょっと来い!』

『はい?』

『最近旦那とどうなん?話してみろや。』

シュンさんの車で1時間以上は話したと思う。


面白おかしくじゃなく


真面目に。


『んー、その野郎(旦那)が俺と知り合いならガツンと言ってやれんのになあせる

『いや、私がしっかりしてないからあせる

『いや、お前は頑張ってるよ。若いのにしっかりしてる。家庭で気を抜けないなら、職場で少し気を抜け。』

『え、仕事じゃ気抜けないですよー。私ただでさえ仕事出来なくて迷惑かけてるのに。』

『迷惑じゃねーよ。俺がもし、今後異動してこの店から誰か一人連れていけるとしたら、こう、お前を連れていくよ。それくらいお前はちゃんとやってる。俺が良いってんだから、良いんだよ。』


めちゃくちゃ嬉しかった。私はずっと足手まといだと思ってたから。


『また辛いことあったら聞くから。聞くことしか出来ねーけどな。』

『ありがとうございます。』


『俺、心配なんだよ。皆と笑ってるときも、ふとお前見ると、いつも泣きそうな顔してる。俺はお前に笑っていて欲しい。』

そういって、シュンさんは私の頭を撫でた。

『かわいいなぁー、お前は。俺はちゃんとお前の味方だから。ナオもそうだけど、お前ら俺の初めての部下だからかわいいんだよ。』

シュンさんと目が合って妙に恥ずかしくてそれからは目を合わせなかった。

産休が終わり、

仕事に復帰したら


メンバーが一人変わって、新しいおじさんが増えてた。


シュンさん、ナオくん、カズキくんはそのままだった。


職場にいると楽しくて、家庭での辛さを忘れられた。


シュンさんが笑わせてくれたからだ。


こんな人間関係の良い職場で働けるなんて幸せだと思った。



それからなんかシュンさんを目で追うようになった。


そしたらあることに気づいた。


新しいおじさんは皆と違っていつも浮いてて、どちらかと言えば嫌われ者だったけど、上手く輪になじめてた。


それがなぜだかわかった。


シュンさんだった。


おじさんが一人になると、机の上に仕事山ほどあるのに、おじさんの側に言って話しかけてた。


他の人に対してもそうで…


仕事やりながらずっと周りをみてた。


人間関係だけじゃない、店のすごい細かいところまで見てた。


上手く言えないけど、仕事もできるけど…何より人間をみてた。


自分のことは二の次で、


部下全員のこと、大事にしてた。


この職場がこんなに和気あいあいなのは、シュンさんの力なんだと思った。


憧れた。