今日、みかんをひとつ剥いた。

とても酸っぱいみかんだった。でも、せっかく剥いたのに、食べずに残すのはなんだか悪いことのように思えた。

たしかに酸っぱかった。食べていても、あまりおいしいとは思えなかった。選んだときには、こんなに酸っぱいなんて知らなかったのに。

でも、皮を剥いて、食べられる状態にしたのは私だ。

それに、酸っぱいのは、このみかんが自分で選んだことじゃない。

そもそも、みかんは食べられるために生まれてきたんじゃないのだろうか。自分から好き好んで酸っぱくなりたいみかんなんて、いるのだろうか。

もしかしたら、土があまり肥えていなかったのかもしれない。十分な日差しを浴びられなかったのかもしれない。天候に恵まれなかったのかもしれないし、収穫する時期が悪かったのかもしれない。

酸っぱかったというだけで、自分の存在する意味を果たせないなんて、不公平な気がした。

だから、胃が痛くなるような酸っぱさだったけれど、最後まで食べた。

少なくとも、私のお腹を満たしてくれたのだから。