リンゴ農園を営む優しい両親、徹と愛子のもとで
育った一人息子の拓也は、スポーツで神童と呼ばれた
幼少期は怪我をして、上京して大学生活の傍らプロを目指した
バンド活動でも挫折する。
うまく行きかけてはつまずくことを繰り返す自分に苛立ち、孤立
していくうち、田舎でリンゴの栽培にすべてを注ぐ父親を疎
ましく思うようになっていた。
しかし、八つ当たりする息子を、父は何も言わず笑顔で受け
止める。
そんなある日、拓也は夢破れて久しぶりに里帰りし、“父親が
大好きだったころの自分”を思い出す。
わがままで身勝手な自分を黙って支えていてくれた家族の
愛情に気づいた拓也に、小さな奇跡が起こる……。