KGRK放送局のアナウンサー、マーシア・
ジェフリーズは、自分の担当する番組で「群衆の中の
一つの顔」の取材で、アーカンサス州ビケットの
拘置所に行った。
ここに収容されている酔っ払い、乞食などの声をマイクにのせる積もり
だったが、その中にローンサム・ローズというギターを弾き
民謡を歌う若者を発見した。
彼の素朴な味のある唄に魅かれた彼女は、それを録音にとって帰った。
ところがこの録音を聞いたマーシアの伯父で放送局を経営するJ・B・
ジェフリーズは、すっかりローンサムに惚れ込み、マーシアに口説かせ
契約をとった。
ローンサムのヴォリュームある声と魅力あるギターの音はラジオの電波に
乗って忽ち大旋風をまき起こした。
彼の声は家庭の主婦、田舎の青少年にぴったりだった。
隣州のテネシー州メンフィスのテレビ放送局から
好条件で引抜きにした。
が、人気上昇とともに彼の性格は極端に我侭となった。
一方、メンフィスのテレビ放送局の作家兼プロデューサー、
メル・ミラーは、マーシアに会うなり、その魅力にひきつけられた。