巨大独裁国家パネム。
最先端都市キャピトルと12の隷属地区で
構成されるこの国では、国民を完全服従させるための
見せしめ的イベントとして、毎年1回、ハンガー・
ゲームが開催されていた。
その内容は、パネムの全12地区それぞれの12~18歳の
若者の中から、男女1人ずつの合計24人を
プレイヤーとして選出し、最後の1人になるまで戦わ
せるサバイバル・コンテスト。
一部始終が全国に生中継され、パネムの全国民に
課せられた義務で、キャピトルの裕福なエリート層に
とっては極上の娯楽コンテンツだった。
第74回ハンガー・ゲームが開催されることとなり、プレイヤー
抽選会が開催された第12地区。
カットニス・エバディーンは、不運にもプレイヤーに
選ばれた12歳の妹プリムローズに代わってゲーム
参加を自ら志願する。
男子のプレイヤーに選ばれたのは、同級生ピータ・メラーク
だった。
キャピトルに到着すると、専属スタイリストのシナと対面。
ゲームを有利に進めるには、見栄えを良くして積極的にアピールし、
スポンサーを獲得する必要があるのだ。
続いてカットニスたちは、教育係ヘイミッチの指導の下、
厳しいトレーニングに打ち込む。
そこでサバイバル術や武器の使い方を学びつつ、お互いの
力量を探り合う24人。優勝候補は第2地区代表で冷酷非情な
ケイトー。
彼は、幼いころからハンガー・ゲームに勝つための特殊訓練を
受けてきたプロフェッショナルだった。
いよいよ訪れる開戦の日。
24人は、カウントダウン終了と同時に、鬱蒼とした森に囲まれた
草原のスタート地点から全力で駆け出す。
家族のため、自分の未来を切り開くため、狩りで鍛えた
弓矢の腕前を生かして戦うカットニスは、やがて想像を
絶するクライマックスに身を投じてゆく……。