さて、本番。
舞台袖で、順番を待つ。
私の舞台袖の個人的お供は、ミネラルウォーターのペットボトルに手袋にカイロ💦、勿論楽譜………は Duo のお相手のを今回見せてもらい、後は、舞台に持っていくハンカチ。
最高気温が、32℃になるかも知れないと言うのにカイロを持ってきたのは、やはり心配性だからですが、館内の冷房の効き方がどの程度か解らないから、念の為、あった方がいい。
椅子は2脚、高さを調節できる自在椅子を用意してもらいましたが、出演者1人ずつに、一脚ずつ用意して下さったみたいで、私の椅子の高さは、リハーサル時から変えていないと言うお話。
案外、これ大事です。
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さて、本番。
すたすたと、ステージに出て行き、これも打ち合わせ通りに、お辞儀する。
私としては、リハーサルでかなり攻めた弾き方をしたのですが、それからまた考えた、そして思った………。
プリモのパートが出るところは、しっかりいつも通りやろう。
さらに、弱音と主題の表現に、もっと変化、幅をもたせよう。
そして、私がこの半年以上ともに過ごしたシューベルトの幻想曲に注ぎ込めるだけの気持ちを込めようと。
その時心の奥の声が、自然に聞こえたかのように、自然と態度が決まっていた。
本番のステージが、魔物で怖いのは、情熱が溢れて、乗りすぎて無謀な事をやってしまい自滅する…………か、冷静になり過ぎて、全く挑戦をしない無難な場所から出ていかないで終始する…………か。
この2極のどこに自分がいるか、いられるか………に尽きると思う。
いくら調子が良くて乗って弾いていても、どこかに冷静な自分がいなくてはならない…………と私は思う。
溢れでる気持ちは、やはり氾濫してしまったら、取り返しがつかないから。
冷静と情熱の間の何処に自分がいられるか…………。
永遠の課題。
幸いに、何とか一発勝負のステージ…………その時、自分の気持ちが音楽の中に入れ、幸せでした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240621/18/haruko-tanaka/a7/3c/j/o0607108015454257552.jpg?caw=800)