5年前に岐阜県垂井町に定住するまで、ワーキングマザーとして働き続けながら4回の引越しをしました。その中には東京23区内やアメリカオハイオ州も含まれます。

子どもの教育や預け先は、まさに私にとって超重要事項。

必死でリサーチをする癖がつきました。


大都市、国外、そして垂井町。全て教育事情が違うのが面白くもあり、恐ろしくもあります。

東京に住んでいた頃は、周囲の子どもの放課後の過ごし方として多かったのは、学習塾や、習い事つきの民間学童スクール。どんな塾や習い事も、地下鉄を乗り継いで子どもが1人でいける環境は素晴らしいです。私も子どもを民間学童に預けて仕事をしていました。最大22時までのお預かり、夕食サービス、病児のシッティングサービスなどがついており、かなり助かりました。子ども達は、都会の環境を利用して、超有名企業や観光名所にかなりの頻度でプチ遠足や見学に出掛けていました。ピアノ、英語(そもそも先生が外国人)、学習の習い事つき。そして、中学受験をする子が半分以上いる環境。そこにいると、子どもの意識も自然に受験へと向いていきました。

教育熱の高い層が多い場所だったのもありますが、これが東京の基準なのです。


アメリカの教育は、本当に地域差が激しかったです。私たちが住んでいた地域は、どちらかといえば低所得者が多い地域。ローカルスクールに来ている子どもたちの家庭の中には、ドラッグをしている、子どもに食事を出せない、、などという家庭がそれなりにありました。長く住んでいる日本人は、もう少し富裕層の多い隣町に引っ越したり、私立の小学校に子どもを通わせたりしていました。児童や生徒の身なりも、使う言葉も、行動も、家族の関わり方も違う。問題はたくさんありますが、これが現実。「良い教育にはお金が必要!」を体現している構図でした。


岐阜県の山間にあるのどかな垂井町。ここでの教育は?

学校が少人数で広々している。自然がありふれているのでなんでも体験できる。教育熱心な人(特にシニア世代の方)がたくさんいて、近所の子どもたちに良い教育を届けたいと願ってくれている。

一方で、子どもが放課後過ごす場所は公立の「留守家庭教室」一択。習い事教室はそれなりにありますが、どこも距離が離れているため、車での送迎が必須。結果、子どもの教育のためには、母親が好きなだけ働くことが困難な構図になっていると思います。また、地理的にどうしても「世界との距離」が遠いため、目の前の世界が全てになりやすい傾向にもあります。


この子達が大きくなる頃、おそらく東京で育った子やアメリカで選び抜かれた教育を受けてきた子と対等にやっていかないといけないのが、親として一番気になったポイントでした。

でもすぐに、田舎にしかない大きな武器に気づきました。


それは豊かな自然。

東京にいた頃、夏休みの過ごし方として人気が高かったのが、「自然体験」。東京で民間学童に通い、先進的な教育を受けている子ども達は、わざわざ軽井沢に出掛けて、数日間森で遊んだり、虫を捕まえたり、野菜をとったりするのです。というのも、自然体験には学力のみならず、人間力を上げる、やり切る力をつける、集中力を向上させる、考える力をつける、、、など、数知れない効果があることが、近年の研究で明らかになってきているからです。ましてや今後は、AIが台頭することが見えている世の中。価値が出てくるのはこういった人間にしかない力、そして自然体験そのものだと思われます。


「自然豊かなこの場所で、視野を世界に広げられるような教育環境を作ったら、きっと世界のどこでも楽しめる素晴らしい子に育つだろうな。都会に負けないぞ!」

と、ワクワクを感じたのが、私が垂井町という田舎にHARU kids club を作ったきっかけでした。負けず嫌いなのです(笑)

もちろん勝ち負けはないですが、どこで育った子にも豊かな人生がひらけていくことを心から願っています。