江戸時代末期、尊皇攘夷を旗頭に、水戸藩勇士達が筑波で決起した。

彼らは自らを「天狗党」と名乗り、攘夷の先駆けたらんとしたが、徳川幕府の崩壊に巻き込まれ悲惨

な最期をとげる。

「赤心をもって事にあたる。」当時志士達のあいだでよく使われた言葉である。

一度志を立てたら私心を捨て、目的達成の為には命をも惜しまない、というような意味であろうか。

水戸藩で斉昭に仕え、水戸藩随一の人格者として全国の志士達に影響を与えた「藤田東湖」。

西郷隆盛も水戸藩の江戸屋敷で面会し、たいへん感銘を受けたとされている。

天狗党には、武田耕雲斎ら藩の重鎮も複数参加していたが、「東湖」の三男の「藤田小四郎」が

次第に首領のように担がれていった。

幕府から追討令がだされた為、信州から美濃をさまよい、ついには加賀半藩で捕縛。

幕府からだされた措置は、斬首。敦賀の来迎寺にて処刑された。

享年24の早すぎる最後であった。