と、『脳のなかの天使と刺客』という本の紹介文を二つ書きました。
脳の免疫細胞ミクログリア。
それが、時として暴走し脳内に病変を引き起こす。
その様なことがわかってきたことで、
数百年続く常識がくつがえされたのだ。その影響は大きく、うつ病や不安障害、アルツハイマー病、認知障害などの理解は一変し、新しい観点から、治療法や薬の研究開発も始まっている。（本のそでより）
そうです。
でも、脳には存在しないとされてきた免疫細胞とリンパ管が発見されたのが2010年代初めとも書いてありますし、今後、また、全てがくつがえされる可能性も充分ある様な気がします。
何はともあれ、最も繊細に思える脳においても、自然治癒力を呼び覚ます何かがある、そんな気がしてなりません。
我が家は7人家族でしたが、
母がたの祖母は老衰。
父は71歳のとき脳卒中で倒れ意識が戻ることなく亡くなり、認知症だと思っていた母は、進行性核上性麻痺という神経難病の診断を受け、それから4・5年で亡くなりました。
そして、二つ上の姉は髄膜炎から、おそらく脳炎を起こし、その後、精神的なバランスを崩してしまい、劇的に改善することはありませんでした。
それでも、自然治癒力を呼び覚ます何かがあると思うのは、一つは自分の体験から。
おそらく小学校の高学年に発症した、今でいう強迫性障害は、大学への入学を機に恐怖症へと変化していった訳ですが、この二つはかなり違うのです。
恐怖症も軽視できるものではありませんが、私の場合は、乳幼児期のトラウマで生じ解放されなかった恐れのエネルギーが、深く関係していた様に思います。
でも、気づくのが遅くなりましたが、恐怖を呼び覚ますものを取り除くことが出来たなら、穏やかな日々を送ることも可能だったのです。
けれど、強迫性障害を患っていたときは、四六時中、強迫観念が頭の中を駆け巡り、時間があるだけ確認行動を繰り返していました。
やはりトラウマによる強烈なエネルギーが関係していたように思いますが、脳のバランスも完全に崩れていました。
ですから、何の治療もせずに、強迫症状が消え始めたのは自然治癒が働いたとしか思えないのです。
ついでに言えば、私の場合、ボディーワークを受け内受容感覚を取り戻していく前に、つまり、体が緊張を抱えたままの状態で、先に感情の解放が始まりました。
グラウンディングが出来ていないため、感情のエネルギーが流れて行かなかったということもあるのでしょうか？
日常の出来事をきっかけに噴出してくる感情の激しさは相当なものでした。
少し話しがずれましたが、まるで、タイミングが決められていたかの様に、順々に癒しは起きていたのです。
脳の自然治癒力に話しを戻しますが、年の離れた姉は、10年以上前に大きな髄膜腫の摘出手術を受けました。
腹違いですから、なんて言うと母に怒られそうですが、姉は精神的に強い人です。
それでも、60代後半で12時間にも及ぶ頭の手術を受け、寝返りもうてない、言葉もなかなか出ないという状態からのリハビリは精神的なストレスも大きかったことでしょう。
いろいろありましたが、一般病棟からリハビリ病棟に移ると、姉の友人たちも認知症が進行しているようだと心配する様になりました。
認知症かどうかはわからない例ですが、リハビリで出された課題で順番に数を並べながら、
「11の次はなに？ 13？ 早く教えてよ！」などと言われると、絶望的な気持ちになりました。
先生に泣きつくと、
「今、薬の調整をしていますから」と、言われましたが、なかなか希望は持てませんでした。
けれど、母より一日早く退院し、一緒に母の最期を看取ってくれた姉は、1週間もしないで不自由な身体で台所に立ち始め、14年経った今も、認知症の症状は見られません。
妹の料理は、あまり美味しくなかったのかもしれませんが、彼女の精神力は大したものです。
薬が効いただけかもしれませんが、やはり、それ以上の何かが働いたような気がするのです。
今頃気づきましたが、加害恐怖は強迫性障害の症状の一つに含まれるんですね。
私の場合は、異常な強迫観念が頭の中を駆け巡り、訳も分からず確認行動を繰り返していた時期と、自分は人に害を加えることが恐いのだと自覚し、もう少し現実的に悩んでいた時期とでは全然違います。
ですから、医学的には間違っているかもしれませんが、これからも、強迫性障害と確認恐怖を分けて書かせて頂きます。
武蔵国分寺公園にて
千駄ヶ谷・北参道の
心と体のリラクゼーション
はるのいざない
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