クレニオセイクラルセラピーは、ジョン・E・アプレジャーD.O.(オステオパシー・ドクター)が、「オステオパシー協会の暗黙の禁を破って、希望する者には誰にでも教え始めた」(※p.33より引用)ことによりアメリカから世界に広がりました。

 

コロナも一つの要因なのでしょうか?

3年前に私が受けたときとは違って、

アプレジャーインスティチュートの日本支部で3月末に開催されるクレニオセイクラルセラピーのセミナーは、現時点で初級・中級ともに定員に達してキャンセル待ちとなっています。

 

みな、オステオパシーの哲学やこの手技に共感を覚え、基本的なツールを学びセッションを行っていくわけですが、セラピスト一人一人の思いによってそれが違うものとなるのは当然ですね。

 

オステオパシーの創始者であるアンドリュー・テイラー・スティルの著書『オステオパシーの哲学』の中に、

あなた方がこの科学を勉強しようと思い立ち、必要な勉強は何かと問うなら、まずは解剖学から始め、そして解剖学で終わるということをあなた方の心に印象付けたいと思う。(p.18)

という言葉が残っています。

そして、

日本オステオパシー学会のホームぺージの「オステオパシーの哲学」という項目の中には、

(前略)しかしオステオパシーの治療は、単に背骨だけではなく、身体のあらゆる部分を対象として行います。スティル博士は人間は身体(Body)・精神(Mind)・魂(Spirit)の三位一体の存在であり、オステオパシーは人間全体を単位としてみます。

とも書かれています。

 

これほど解剖学を大切にする療法が、なぜ、身体や精神にとどまらず、魂にも関係してくるのでしょうか?

その点について、オステオパシー、クレニオセイクラルセラピーの紹介とともに、一つの視点から書いてみたいと思います。
 

日本オステオパシー学会編集、尊敬する平塚晃一先生が代表執筆者である『オステオパシーとは何か』(初版1992年)という本の中に、「刊行に寄せて」というアプレジャーD.O.の文章が載っています。

 

その中に、医師でありながら流行性髄膜炎にかかった3人の子供たちを救うことが出来ず失ってしまったアンドリュー・テイラー・スティル(Andrew Taylor Still)博士によって、1874年(明治7年)、アメリカで発表されたオステオパシーの誕生の過程が書かれています。

 ウイルス性髄膜炎と思われる伝染病によりAndrew Taylor Stillが彼の三人の子供を失った背景には、微生物と痛みのコントロールに対する幼稚な考え方、毒な薬、未発達な手術等があった。治療にはとても有害なものがあった。Dr.Stillは、治療が病気と同じように彼の子供の死因になると信じ始めた。彼は病気の原因および同じ病気にかかったのに、なぜある患者は生きて他の患者は死ぬのかを理解しようと研究に乗り出した。

 彼の関心は解剖学に向かった。彼は病人の体を研究し、死因となる器官への血液供給および神経支配に何らかの障害があると考え始めていた。この障害は、筋肉、骨または結合組織内の何らかの構造上の問題と通常関係していた。この構造上の異常から動脈または神経に対してある種の過度な圧迫が通常存在していた。彼は、構造が機能をコントロールする、すなわち、構造上の変位は動脈または神経を圧迫し、それにより機能障害が生じるという理論を発展させた。(後略)(p.5-6)

髄膜炎を発症したのちバランスをくずしてしまった家族がいたこともあり、以前、夢中になって読んだ箇所だったので少々長くなりましたが、もう少し引用させて頂きます。

 

彼は「動脈の役割は極めて重要である」というもう一つの基本的な概念を発展させた。これによって彼が言わんとすることは、生命力は血液供給の障害によって損われる、ということである。血液は病気から器官と組織を防禦し、それらが損傷を受けたなら、血液はそれを治癒させるための物質を運ばなければならない、と彼は推測した。もう一つのオステオパシーの概念が生まれた。すなわち、「体は自らの薬を作る」。

 神経系はこれら全ての活動を一体化し結合するもののようにDr.Stillには思えてきた。「体は一つのユニットである」というオステオパシーのもう一つの原理を理解したなら、神経系は体の全ての部分をトータルなユニットに整えるものと考えられる。(後略)(p.6)

オステオパシーが、酸素だけではなく体が自ら作った薬を運ぶ血液の流れと、体を一つのユニットに整える神経系を重視し、自然治癒力を活かしながら構造上の問題を改善し身体本来の機能性を取り戻していく療法であることはわかって頂けたと思います。

 

そして、実は、この血液の流れと神経系というのが、魂と肉体を繋ぐうえで大切なものでもあるのです。

 

本人は医学的な知識を持たないのに、催眠状態において、心身の病に苦しむ多くの人たちの、身体の中で起きていることやその原因、そして治療法を語ったエドガー・ケイシー。

彼が様々な症状の人にオステオパシーを勧めたことは記録に残っています。

 

1998年に行われた「心の病を癒すホリスティック療法」という講演会の中で、デイビット・マクミラン氏は、ケイシーが魂や心と肉体をつなげているシステムとして、

●内分泌腺、

●交感神経系統(副交感神経系統を含む)、

●知覚神経系統

の三つをあげたと言っていました。

 

ちなみに、今朝、日本エドガー・ケイシー・センターの会長、光田秀先生が書かれた『魂の傷を癒す』という記事のコピーをみつけたのですが、そこには、

 

私達の魂は、もともと霊的次元に存在するものであり、物質世界に属する肉体とは次元を異にしています。そのため、魂と肉体は本来は相互作用を持つものではありません。そこで、魂はある巧妙な仕組みを介して肉体をコントロールします。その魂と肉体の仲立ちをする仕組みは大きく分けると、

 

(1)五感及び脳脊髄神経(随意筋)

(2)自律神経(不随意筋)

(3)内分泌腺

 

の3つになります。

と書かれていました。

 

ウィリアム・A・マクギャリー博士の『癒しのオイルテラピー』を読み返してみると、ケイシーが脊髄神経系と自律神経系の協調を重視していたこともわかりますし、知覚神経系統より五感及び脳脊髄神経の方が正確なように思います

 

何はともあれ、神経系は魂と肉体を結びつけるものであり、内分泌腺で生成されたホルモンが放出されそれを運んでいくのは血流です。

 

ケイシーを頼った人たちにしても、オステオパシーを受ける人にしても、主訴は別にあり、神経系統や血流に問題が生じていることには気づいていないケースが殆どなのでしょう。

 

それでも、その改善はボディー・マインド・スピリットのバランスを整えることでもあるのです。

 

次回は、脳脊髄液の流れというものも重視するクレニオセイクラルセラピーについて、またホリスティックな視点から書くつもりでいます。

 

やや強引にまとめたついでに記しておきますと、本山博先生の著書『チャクラの覚醒と解脱』という本には、

 

脊髄の中心管の中には脊髄の液があって、その水こそが非常にくせ者で、霊的なエネルギーと物理的なエネルギーをある意味で転換をするような働きをする。水といってもただの水ではなくて、その中にはカリウムとかナトリウム、リン、脂質、アミノ酸、そういうものがみな溶けて、あるものはイオンの形であるわけですが、ただそれだけのものではなくて、もっとそれ以上の何かがあるわけですね。

と書かれています。

生理学的にもそうなの?という状態なのですが、クレニオセイクラルセラピーは、受けるときだけでなく、脳脊髄液のリズムを感じているときも瞑想状態に入りやすいのは、先生が書いていることと関係しているのかもしれませんね。

 

大室山から

 

 

クレニオセイクラルセラピー はるのいざない

 

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