嫡出子と非摘出子(父から承認されている場合)の差別は無くなりました。
差別があったのは法定相続分です。
「亡くなった父」から子が相続をする場合、父の子に
①嫡出子
②非摘出子(父から承認されている場合)
の2通りの子がいたとします。
かつては
「①嫡出子」の法定相続分は「②非摘出子」の法定相続分の
2倍だったのです。
同じことを言い換えると、
「②非摘出子」の法定相続分は、「①嫡出子」の法定相続分の
半分だったのです。
たとえば、「亡くなった父」から300万円の現金のみを
相続するとします。
この場合の「①嫡出子」の法定相続分は200万円で、
「②非摘出子」の法定相続分は100万円でした。
これが「①嫡出子」の法定相続分は「②非摘出子」の法定相続分の
2倍だった、という差別です。
この差別は平成25年9月4日になくなりました。
「①嫡出子」と「②非摘出子」に法定相続分で異なる扱いを
するのは憲法14条の規定(法の下の平等)に違反する、
という最高裁判所の判決が出たからです。
判決が出た後、法定相続分が定められていた民法の規定
(第900条第1項第四号ただし書き)は削除されています。
平成25年9月4日に以降の法定相続分は、
「①嫡出子」と「②非摘出子」とともに1:1です。
「①嫡出子」と「②非摘出子」の法定相続分は
対等になりました。
ここで注意点を1つ。
非嫡出子には、
A 父から認知された非嫡出子(父からの相続権あり)
B 父から認知されていない非嫡出子(父からの相続権なし)
の2通りあります。
この項のテーマである「嫡出子と非摘出子の差別はなくなった。」
の「非嫡出子」とは「A 父から認知された非嫡出子」です。
非嫡出子であっても、父から認知されると、
父からの相続権が手に入ります。
非嫡出子であっても、父から認知されていないと、
父からの相続権はありません。
父から認知されていない非嫡出子は、そもそも
父からの相続権がないのです。
つづく…