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キッチンに立つと、その度に窓からキンと冷えた空気を感じる。
休日の今日は、いつものように、にゃんずと一緒にずっと家の中。
外の気候もよく判らないけれど、また雪が降るように寒いのだろうなと思い。
お湯を沸かす湯気が、いつになくもくもくと白いのが嬉しくて。
珈琲を入れたマグカップの湯気が、いつになく真っ白に立ちのぼるのが、また嬉しくて。
故郷の空気を感じる度にいちいち嬉しくて。
その度ごとに自分に帰る。
実際の豪雪地帯や雪国は、周りが思うより大変。
雪かきや雪おろしは重労働だし、車のエンジンがなかなか温まらなかったり。
酷い吹雪の日には前も後ろも横も、ただ果てしなく白くなり、道も見えず視界が全く閉ざされてしまう。
停車をして吹雪が止むのを待つしかない。
或いは除雪車の誘導に出会うまでただ待つしかない。
そんな不便も、雪国に暮らす者にとっては日常で。
それが雪国に暮らすという宿命。
誰もが黙して受け入れている。
それがあっても雪国で生きているのだ。
そんな故郷で育った私は、関東で雪が5センチ積もっただけで立ち往生する姿を、内心クスり笑ってしまう。
でも真夜中に一晩中、線路の除雪作業を懸命にやる人々の、姿を想っては、大変さが解るだけに、余計にありがとうございますと感謝をする。
都会で電車は生命線だから。
冷たい空気と珈琲の白い湯気をぼんやりと眺めて。
また遠く故郷の雪を想った。
染み付いたそれらの感覚さえ、私の心の財産となり。現在(いま)があり。
心が何かに触れては、その度にまた何かに繋ぐ。
温かな白い湯気さえ、郷愁の想いとなり。また。心。
ただ音もなくしんしんと降り積もる。無垢の雪の静けさを想った。
足跡-原文2016/06/05 21:49
壁紙アプリより。
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続く
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