〈 相手に関心を持つこと 〉
対人援助の仕事で大事なのは、相手がどのような人間であるか知ることである。
その為には、相手に関心を持つことが大切である。それは、相手の中の未知のものに惹かれる好奇心とも言えるかもしれない。
しかし、私たちはなかなかそうした好奇心を持てないものである。
その訳は、大人になるにつれて、自分はもう沢山のことを知っていると思い込むから。
自分は他者よりも優れていると思いたい心も相まって、そうした思い込みはより強まり、いつしかそうした好奇心を失ってしまう。
本当は、私たちは何も知らないのである。
人間一人一人には、小宇宙のような広がりがあり、未知のものがそこには溢れている。
相手は私と全く違う経験をしていて、私が知らないことを知っている。
私とは全く違う人生の物語を生きている。
そう考えると好奇心がわいてこないだろうか?
こうした心を取り戻すためには、“こどものような気持ちを取り戻す”ことが必要だ。
「私はまだ何も知らない」ということを自覚したときに、「だからあなたに教えて欲しい」と素直に思える。
そして、先入観なしに純粋に相手の話を聴くことができる。
そうした謙虚さや無知の姿勢を持つことが、相手に関心を持つこと、そして相手を知ることのベースとして大切だと考える。
これこそが私が考える、対人援助職の極致の一つ目である。
続く二つ、三つ目についても、次のブログで書いてみたい。