スペインのある牧場で暮らす牛のフェルジナンドは、小さな頃から花が大好き。
他の牛たちはマドリードの闘牛場で勇敢に闘うことを夢見ているのに、
フェルジナンドだけはひとり花の匂いを静かにかいでいました。
(絵本ナビより)
私は、本を選ぶとき「縁」を思っているのですが、
これは好きな映画、「幸せの隠れ場所」に出てきたので
購入。
こどものころももちろん読んだのですが、
改めて読むと、
このゆったりとした文章といい、
白黒なのに鮮やかに色を感じる丁寧な描写
(かといって決して写実過ぎない…、コルクの木なんて秀逸です)
最高やないか!
と夢中になって読み聞かせしました。
「ふぇるじなんどははながすきでした」
このふぇるじなんど、とひらがなで書いてあると
どうも読むときも「フェルジナンド」とは違う読み方になるんですよね…、
ねばっこくというか、しつこく読んでしまう
でもそれが子供にも面白かったらしく、
1歳ころから読み聞かせに入れましたが
ときに笑いながら聞いてくれていました。
最近(6歳)読むと、今度は「ふぇるじなんど」というねばっこい言い方を
自分でしながらけらけら笑っていて
言い方の妙というのもあるよね、と
お気に入り本の一つです。
読み聞かせは
さらっとよんで感情を入れないほうがいい、
といわれることもあります
私は本によって変えますが
この「ふぇるじなんど」だけは
ついつい速度を落としてゆっくりゆっくり読みたくなる。
感情はあまり入れなくても
じゅうぶん、ふぇるじなんどのやさしさと強さが伝わってきます。
子供に、「ふぇるじなんどってどういう牛だったかな」と聞くと
「やさしくて、気が強い」
と。
気が強い?
と少し考えていたのですが、
たしかに、闘牛場に行っても流されず、
どんな名声にも自分を貫ける、
気の強さが思い浮かびました。
子供はちゃんと感じ取っているんですね…