2月14日


今日はバレンタイン


私は長年片想いしている相手がいる。それは…










渡「お待たせ」

小「遅いよ〜!」






 

幼馴染の渡邉理佐だ。







渡「ごめん、また告白されちゃって」







そう言いながら両手には大量のチョコが、相変わらずモテモテだな。








小「相変わらずだね〜」

渡「由依は?」

小「え?」

渡「チョコくれないの?」

小「いっぱいあるじゃん」

渡「いや、いっぱいあるけど…由依の作ったチョコが欲しいの」






真剣な眼差しで見つめられる。そんな心配しなくてもちゃんと作ってあるよ。






小「仕方ないな、はい。」

渡「ふふっ、ありがとう」








嬉しそうに箱を抱えた理佐と手を繋いで帰る。









渡「もうすぐ卒業だね。早いと思わない?」

小「なに?どうしたの??」

渡「由依は将来どんな人になりたい?」

小「んー、わかんない」

渡「そっかぁ」

小「でも仕事に誇りを持てる人になりたいな。」

渡「由依らしいね」

小「そういう理佐は?」

渡「私は物語を作る人かな」

小「小説家とか?」

渡「まぁ、ざっくり言えばね。」

小「そっかじゃあ忙しくなるね」

渡「うん。」

小「卒業しちゃったらしばらく会えなくなるかも。進学先も違うし」

渡「それはないよ」

小「なんで?」

渡「ホワイトデー」

小「ん?」

渡「ホワイトデーに大事な話がある」

小「大事な話って?」

渡「これからは幼馴染じゃなくて1人の女性として見て欲しい。」

小「え?告白?」

渡「それはホワイトデーのお楽しみ」

小「私、今一番幸せかも」

渡「幸せになるの早いって笑これからもっと幸せになるよ?」

小「うん。待ってる」

渡「愛してるよ」









お互いの顔が赤く染まる。早めの春が訪れようとしていた。









森「理佐さん」

渡「あ、」

小「この子知り合い?」

渡「うん。ちょっとね」

森「少しお時間いいですか?」








制服を見に纏った生徒、おそらく私たちの一つ下









渡「由依…」

小「ん?」

渡「先帰れる?」

小「うん。」

渡「ごめんね、ありがとう」

小「気にしないで、じゃあまた」









帰り際に少しだけ見えた理佐の表情はいつにも増して強張っていた。

それにしてもあの子、綺麗な顔してたな。