森田side









〜3ヶ月後〜






仕事終わりの夏鈴に偶然出くわした。









森「夏鈴、あの人と浮気してるの?」


藤「は?なんの話?」


森「前、あそこの風俗入って行くの見た。」


藤「ははっ、どうしてあそこが風俗だって分かったの?」


森「それは…」


藤「言い訳はいいよ。全部知ってるから。」


森「は?」


藤「ひかる、あそこ通ってるやろ?」


森「なっ、」


藤「知ってんで?保乃も。」


森「本当?」


藤「とりあえず、あそこの部屋行って。」












そのまま私はこの前と同じ部屋に通された。



明かりを付けるとそこには彼女がいた。












田「ふふっ、やっぱりひいちゃんや。」


森「気付いてたの?」


田「うん。最初から」


森「どうして?」


田「ライト点いた時に見えたホクロ。あれ、どう見てもひいちゃんやなって」


森「じゃあ、毎回私と体重ねてたのは…」


田「うん、全部保乃だよ。」


森「ごめん。」


田「いいよ、保乃だって黙ってこんな仕事してたんやから」


森「どうして、そんなに優しいの?」


田「え?」


森「もっと私を貶してよ。」


田「…それは無理だよ。」 


森「どうして?」


田「だってひいちゃん、保乃のこと名前で呼んでくれんから。怒ったって無駄やん。保乃のこと本当は愛してなんかないんやろ?」


森「…愛してるよ。」


田「どれだけ頑張ったか分かっとる?」


田「問題用紙にどれだけ公式を書いたって、解答欄に映るひいちゃんはいっつも寂しそうやった。…どうしたらその寂しさを埋めれるん?」


森「わがままだったの。」


田「わがまま?」


森「あ…貴方の名前呼ぶのが怖かった」


田「怖い?どうして?」


森「恋人として成立して結婚したら、君は満足していなくなっちゃいそう…そう思った。」


田「そんなこと…!」


森「ごめんなさい。依存してたんだ…保乃ちゃんに。」


田「っ!?」


森「名前呼んだらもう離れられなくなっちゃう。保乃ちゃんに迷惑かけちゃう」


田「は?なにそれ...どうして迷惑ってなるん?分かるやろ?どれだけ愛してるか。」


森「うん、分かるよ...分かってる。でも、心配性やから。」


田「はぁ、そんなヘタレなひいちゃんきらい!」


森「え、」


田「もう、もっと自分に自信もって!ひいちゃんは最高の恋人!いい?」


森「うん。」


田「保乃にして欲しいことなんでも言って?その為に色んな仕事してきた。ひいちゃんと幸せになる為の夢を叶えるために答え合わせしよう?」


森「うん。」


田「保乃にして欲しいこと教えて欲しい..ひいちゃんとのこれからを考えたい。」


森「出来ればもう他の人の匂い付けて帰ってきて欲しくない。」


田「うん。仕事は辞める。他の仕事探して早く帰ってくる。」


森「私、保乃ちゃんが好き。」



田「保乃も…大好きだよ。」


















藤吉side








私の解答欄は白紙のままで終わった。



でもいいんだ、これで。保乃が幸せなら。



さあ、新しい解答用紙が配られるまで次の問題を探そうか。













fin